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29時間で身につく「にわか韓国語講座」(23)

第7章 困った時の切り抜け方 1.硬い言葉を恐れず漢字語に言い換える

市川速水 朝日新聞編集委員

ちょっと寄り道㊲ 漢字語チラリ動詞

 「がっかりする」という意味で韓国語で一番使われるのは漢字語の「失望、실망하다」(シルマングハダ」だと思います。「着いた」の一般的な言葉も「到着、도착했다」(トッチャクヘッタ)です。日常使うことばで漢字語が一番使われると知った時は、なぜか「はっ」と、あるいは「ほっと」します。日本語ではまず漢字語の音読みは難しい言葉や文語として扱われ、日常会話に音読みの一部を流用するような例は少ないからだと思います。

 日本語で「時」を「とき」というニュアンスも韓国では「時間」(시간、シガヌ)が一般的です。時を表す別な言葉で固有語の「テ」(때)もありますが、こちらは「若い時」とか「あの時」と前後関係で何か条件を付ける場合に使われます。

 一方で、日常で使われる動詞の中に、漢字語が1字だけ含まれていることが割合多いのも驚きの一つです。例えば「決める」は「決定」の1字を使って정하다「定(チョング)ハダ」、「気楽だ」「居心地がいい」は「便利」「利便」の1字を使って편하다「便(ピョヌ)ハダ=ピョナダ」、「傷つく」は「負傷」の1字を使って상하다「傷(サング)ハダ」です。

「選ぶ」は「選択」の1字を使って택하다「択(テク)ハダ=テッカダ」
「伝える」は「伝達」の1字を使って전하다「伝(チョヌ)ハダ=チョナダ」
「求める」は구하다「クハダ」。これも「求=구」の1字を使っています。
「願う」が원하다。「願う」+「ハダ」=ウォナダ
「勧める」は권하다。「勧」+「ハダ」=クォナダ

 つまり、日本語はそれぞれの漢字に音読み、訓読みがある。易しい言葉になると訓読みになるから「傷」を例にとれば「傷(きず)つく」「負傷(ふしょう)」のように読みが変わってしまう。でも、韓国語の場合は原則、漢字にひと通りしか読みがないから、易しい言葉になっても読みは変わらないという理屈です。以前お伝えしたように、歩く、食べるといった身の回りの動詞は圧倒的に固有語が多いのですが、自分の意志とか、主体性を伴う動作は「漢字語チラリ」が目立つようです。

 この「漢字語チラリ動詞」を集めると、けっこう動詞が覚えられてしまいますよ。


 ストレス解放作戦の続きです。相手の言うことがちんぷんかんぷんだったり意味不明だったりした時、どう言いましょうか。こちらの語学力の問題、先方の方言(なまり)の問題、文化や思考の違いをお互いが分かっていない場合などいろいろ原因はあるかと思いますが、そんな時に。

もう一度言ってください→다시 한 번 말씀해 주시겠어요?
ゆっくり話してください→천천히 말씀해 주세요
少し理解できないのですが→이해가 잘 안 되는데요 *「理解」は漢字語読み
こんな時、なんていうんでしたっけ?→이럴 때 어떨게 말하면 될까요?
(独り言のように)なんというか…→뭐랄까?

 ここで少し上級語です。告別式の時にご家族にかける言葉。特別に思い出があれば特に問題はないのですが、儀礼上、参列してご遺族に対して特に伝える言葉がない場合です。

 なんと申し上げてよろしいか分かりません。→뭐라고 말씀드려야 될지 모르겠습니다.

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筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

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