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統計不正を国会で糺す!本丸は「GDP」だ!!

アベノミクスの本丸GDP統計を標的にしたいと国対委員長に訴え、私は質問に立った

小川淳也 衆議院議員

「統計の精度を上げる」よう求めた麻生氏

 国会で質疑に立つにあたり、勤労統計の問題はもとより、どこまで迫れるかは別としても、やはり最後はアベノミクスの本丸であるGDP統計をめがけて追及させて欲しいと、辻元国対委員長にお願いをしました。

 辻元国対委員長からは思い切ってやってみるよう激励をいただき準備に入ったのです。

 調べれば調べるほど、やはりこの問題が明るみに出た2018年、そしてさかのぼること3年前の2015年、この時期に、統計に政治の手が相当入ったのではないか、そう疑わせるに十分な経過が存在していました。

 最大の争点は、厚生労働省が70年ぶりに勤労統計の調査手法を変更するきっかけとなった、2015年10月の経済財政諮問会議です。

 ここで麻生財務大臣が「統計の精度を上げる」ようにという趣旨で発言しています。資料をよく見ると、勤労統計や家計調査など、数値が下振れすることに、あたかも文句をつけているようにとれるのです。

 これは「統計の精度を上げろ」という美名のもと、「良い数字を出して来い」と無言の圧力に感じられても仕方ない。元官僚である私はそう感じました。

拡大衆院予算委で笑いながら挙手する麻生太郎財務相(右)=2019年2月4日

 さらに経緯を調べると、その前の月、2015年9月に、当時自民党総裁に再任された安倍首相が、突如としてGDP600兆円という途方もない数値目標を、アベノミクス新三本の矢として掲げていたのです。

 安倍首相はのちの国会答弁で、統計手法が変更されること自体は知っていたことを明らかにしています。統計操作による嵩上げ分を含むとすれば、今となっては納得のいきやすい数字を掲げていたことになります。

官僚にのしかかる暗黙のプレッシャー

 翌年、2016年6月の政府の骨太方針には、何と政府の成長戦略の一環として、「統計改革」が掲げられました。技術論に過ぎないはずの「統計の改善」が、オリンピックやTPP、国土強靭化と並んで「成長戦略」のお題目一覧に並べられること自体異常です。感覚を疑います。

 さらにその年の暮れには、当時の山本行革担当大臣がわざわざ経済財政諮問会議に出向き、「政治主導の統計改革」を訴え、翌年2月には菅官房長官を議長とする統計改革会議が設置されました。

 本来、科学的、技術的、客観的であるべき統計に対し、政治家の、それも一党一派に偏った政治家の発言が相次ぎました。さらには政府全般にわたる強大な権限と人事権を掌握した長期政権の中枢が「統計改革」の旗を振ったのです。霞が関の官僚にとって、その暗黙のプレッシャーは相当大きなものでなかったか、私にはそう思えます。

 勤労統計一つを見ても、突如として70年来続けてきた調査手法を変更し、対象事業所の入れ替えを全部から半分に絞った結果、調査対象のうち、数年間継続している比較的優良な会社の占める比率が高まることになりました。当然、賃金も比較的高めに出ることになります。

 さらにこの年、調査対象の常用雇用者から、それまで算入していた月に18日以上働く日雇い労働者を外したのです。その分さらに賃金は高く出たはずだと思います。

 統計委員会での議論にあたっては、その点に対する懸念が強く示されたにも関わらず、最終的にこれを振り切って統計手法が変更されることになりました。

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筆者

小川淳也

小川淳也(おがわ・じゅんや) 衆議院議員

1971年香川県高松市生まれ。衆議院議員5期目。立憲民主党・無所属フォーラム幹事長特別補佐。高松高校、東京大学法学部卒業。1994年自治省入省。沖縄県庁、自治体国際化協会ロンドン事務所、春日井市役所などを経て、2003年民主党より香川県第1区にて立候補するも惜敗。2005年初当選。2009年総務大臣政務官、2017年民進党役員室長。著書に『日本改革原案 2050年成熟国家への道』(光文社)

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