「嵐は民主主義」で決まった活動休止
個人を尊重しつつ、みんなが納得できる結論に至るプロセスから見えてくるもの
内山宙 弁護士

嵐のコンサートチケットにあたるよう願う絵馬をおさめたファン。活動休止に向け、フィーバーが続きそうだ=2019年2月3日、福岡県糸島市
活動休止にファンは大ショック
先日、突然、ジャニーズの5人組人気アイドルグループ「嵐」が活動休止するというニュースが飛び込んできました。嵐ファンの方はものすごいショックを受けているようです。知り合いの嵐ファンに聞くと、嵐の出ている番組を見たり、嵐の話題を耳にしたりするのがツラい、と言います。
もちろん、嵐なんか興味ないよという方もいらっしゃるとは思います。ただ、ファンでなくても、このところ毎年暮れには嵐メンバーの誰かが紅白歌合戦の司会をしていますし、多くの番組やCMに出演し、認知度の高いグループの活動休止ということ自体には、驚かれた方も少なくないと思います。
私も、身近に嵐ファンがいるため、ここ数年、嵐の「冠番組」は欠かさず見ていたので最初は驚きましたが、記者会見を見て、メンバーたちが語るその理由を聞いて、ちょっと納得しました。
きっかけは大野さんの「思い」
きっかけは、リーダーの大野智さんが、自由な生活をしてみたい、芸能界を一度離れてみて、今まで見たことのない景色を見て見たい、普通の生活をしてみたいと思い始めたこと。大野さんは2017年6月中旬、他のメンバーに集まってもらい、自らの思いを打ち明けます。そこから何度も話し合いを重ねて、2018年6月頃に、2020年末で活動を休止するという方針が決まったそうです。
大野さんといえば、圧倒的な歌唱力とダンステクニックで嵐のパフォーマンスの中心である一方、絵の才能があり、個展も開く芸術家肌で知られています。釣りも好きなようで、好きなことに孤独に打ち込むタイプに感じられます。嵐が結成された当初は、辞めたいと思っていたこともあるようです。
そんな大野さんが、結成20年の節目を迎えるにあたり、一度、自由になってみたいと思ったのも、無理はないと思います。