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福島第一原発1、2号機の排気筒(中央)。左はがれき撤去作業中の1号機の原子炉建屋=2019年2月15日午後、福島県大熊町20190215拡大福島第一原発1、2号機の排気筒(中央)。左はがれき撤去作業中の1号機の原子炉建屋=2019年2月15日

2月5日(火) 午前中「報道特集」の定例ミーティング。早稲田大学の採点作業。

 ベネズエラの政情不安、といっても、アメリカのトランプ政権の後押しを得た、国際的にはほとんど無名だったグアイド国会議長が「暫定大統領」に就任すると突然宣言し、「二人大統領」併存という異常事態が「現出」して(させられて)いるのだから、なかなか理解ができないのかもしれない。1日に日本記者クラブで、日系人でもあるセイコウ・イシカワ駐日ベネズエラ大使が記者会見して、暫定大統領には正統性がない旨発言したというが、日本国内のメディアの報じ方が「相当に危うい」との指摘を複数の友人からもらった。僕自身も、今、日本の国際報道がどこもかしこもおかしくなっているとの認識を共有しているので、耳を傾けた。南米については特に難しい。アメリカの「裏庭」への介入の歴史を少しでも知っている記者であれば、今回の動きにどこかしら既視感のようなものを感じているのではないかと思いきや、そうでもないらしい。

 新聞労連が、官房長官記者会見で、東京新聞の望月衣塑子記者に対する質問を制限したとして抗議声明を出した。望月さんの名前は出ておらず、特定記者とある。あれは本当に露骨だと思う。座視していていいはずがない。

2月6日(水) 朝から雨模様。わき腹痛し。スポーツクラブへ行き、入浴のみで体重をはかったところ、相当に体重が落ちていた。ああ、早く泳ぎたいものだ。「クレスコ」や「調査情報」「角川新書」などいくつかの原稿の校正を済ませて、次の作業にかかった。今週の前半ネタは、ケフィア・グループの出資法違反容疑の強制捜査でやるとのこと。僕は凡人なので、正直に言って、千葉県野田市の女児虐待の方に関心がいってしまっていたのだった。僕は、報道機関の「独自」ネタ重視の姿勢に警戒感というか用心する感覚を抱きすぎているのかもしれない。

 旭川の義母死去。93歳。家族葬でひっそりと弔うことになる。家人と話し合って、僕はあしたは予定通り、福島第一原発の取材に行くことにする。

2月7日(木) 常磐線の列車内は意外に混んでいた。ぼんやりと義母のことなどを考えていた。今回の取材は日本記者クラブの合同取材団によるものだ。結局、僕らの局は1名しか参加枠が認められず、僕一人で行くことになったのだった。福島第一原発構内にはもうかれこれ8回か9回か入っているが、毎回、いろいろな変化がある。代表カメラがムービー1社、スチール1社と決められていて、テレビ局取材としてはなかなかしんどいものがある。とにかく、あしたに備えて、体をよい状態に保っておくことだ。夜の10時にはベッドに入ったが、いろいろな思いがこころに去来して眠れず、旭川の家人と連絡をとる。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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