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チェイニー米副大統領.拡大米ブッシュ政権時代のチェイニー副大統領

2月12日(火) 那覇の某所で朝食会。寺島実郎氏の会に同席させていただいたのだ。その後、浦添に移動して在沖縄総領事ケプキー氏との面談。昼過ぎの便で東京に戻る。

 人に薦められていた映画『バイス』をみる。タイトルはVice President=副大統領のViceである。なかなか面白い。ブッシュ政権のディック・チェイニー副大統領は、大統領の権力をしのぐ陰の実力者だった。彼らいわゆるネオコンの主導のもとでイラク戦争が開戦に至ったのだ。大量破壊兵器開発というでっち上げの根拠で、9・11とは全く関係のないサダム・フセインのイラクを攻撃し崩壊させた。

 僕はチェイニー副大統領には一度だけ直接会ったことがある。ワシントン支局勤務の当時、なぜかチェイニーのオフィスが日本人プレスだけを相手に記者会見を一度だけ設定したことがあるのだ。在ワシントンのメディア各社から1名ずつ参加し、そこに僕もいた。内容はほとんど覚えていないくらいだから大したことは言わなかったのだろう。だが、声の小さい、笑わない、どこかしら怖い感じの人物だったことは覚えている。この映画はよくできたブラック・コメディだ。監督はあのサタデーナイトライブの放送作家もやっていた人物。

 それにしても、チェイニーという人物は、奥さんのリンとラムズフェルド元国防長官の2人がいなかったら、ああいう人間にはなっていなかったんだろうなあ。映画の中で一番驚いたのは、9・11直後、ホワイトハウスも攻撃対象になっているということで、緊急避難でホワイトハウス地下のシチュエーション・ルームに幹部らが逃げ込んだ際、リン夫人も同行していたんですねえ。オドロキ。映画のエンドロールにかかる最後の曲がいい!

2月13日(水) 折った肋骨、65%くらい回復したか。とにかく今は泳げないことが最大の苦痛。ストレスを解消する手立てがない。アルコールもやめているので。

 午後、沖縄県民投票の取材で打ち合わせ。地元局のベテランに長電話で情勢を教えてもらう。地元の自民・照屋守之と公明・金城勉がかなり動いたようだというが。

 それにしても官房長官記者会見での望月衣塑子記者への「質問妨害」が露骨と言うか、まるで出来の悪いコメディ番組のうけないギャグだ。8日午前の記者会見でのやりとり。

望月記者「東京・望月です。上村(秀紀)室長の質問妨害についてです。重ねてお聞きします。上村氏は、質問権を制約したり、知る権利を制限したりの意図は全くないということでしたが、質問中の……」
上村報道室長「質問簡潔にお願いします」
望月「……この妨害行為、1年以上続いていまして、明らかに圧力であり、質問への萎縮につながっています。昨年5月に私が直接抗議をした際、上村室長は……」
上村「質問に入ってください」
望月「政府の一員としてやっていると、個人的にやっているということではないと説明されました。政府、つまり長官が……」
上村「この後、予算委員会のため質問に入ってください」
望月「……上村室長にこのような指示をされているのではないですか」
菅官房長官「(多少怒気を含んだ口調で)ありません」

 わずか31秒間だった。まるで「出来そこない」の不条理小説みたいなやりとりではないか。「質問妨害」するなと言っている質問中に3回にわたって「質問妨害」しているのだから。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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