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中国に急接近するサウジアラビア

中国に急接近するサウジアラビア

六辻彰二 国際政治学者

 アラブの盟主を自認するサウジアラビアが中国に急接近している。両者の接近は、ユーラシア一帯の地政学的条件にとって大きなインパクトを秘めている。

サウジアラビアと中国の蜜月

拡大サウジアラビアで開かれた国際経済会議に出席したムハンマド皇太子(中央)=2018年10月24日、リヤド
 サウジアラビアの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子は、2月17日からパキスタン、インド、中国の3カ国を歴訪した。このうち、パキスタンとインドではカシミール地方での両国の対立が重要テーマとなったが、22日に最後に訪問した中国では主に経済協力が協議された。

 ムハンマド皇太子の訪問は、サウジと中国の関係がこれまでになく強化されたことを内外に印象づけた。

 両国は、ムハンマド皇太子が主導する、2030年までにサウジを近代国家にするための国家目標「ビジョン2030」と、習近平国家主席が旗を振る「一帯一路」構想をリンクすることに合意。サウジ最大の国営石油企業サウジアラムコに、中国が製油所の建設などで100億ドルを投資することなどが決まった。


筆者

六辻彰二

六辻彰二(むつじ・しょうじ) 国際政治学者

1972年生まれ。博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。アフリカを中心に世界情勢を幅広く研究。著書に『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、共著に『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)など。その他、論文多数。Yahoo! ニュース「個人」オーサー、NEWSWEEK日本版コラムニスト。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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