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災害大国・日本を救う「減災サステナブル」とは

東日本大震災から8年。日本の災害対応能力は向上したのか?(1)

阿久津幸彦 立憲民主党衆議院議員(比例東北ブロック)

様々な災害に見舞われた3・11からの8年間

 東日本大震災から8年がたちます。多数の犠牲者を出した未曽有の災害の記憶は、今も風化することはありません。

 「3・11」の当時、民主党衆院議員だった筆者は政府の現地対策本部の本部長代行として約2カ月間にわたり現地で陣頭指揮を執りました。落選中も緊急人道支援の国際NGO「ジャパン・プラットフォーム」の国内事業部長・東北事務所長として、被災地の支援活動に携わり、今は立憲民主党衆議院議員として党の震災復興対策本部事務総長をつとめています。

 振り返ればこの8年間、日本は様々な災害に見舞われました。地震、台風、豪雨……。日本が災害大国であることを、国民は実感しているのではないでしょうか。

 言うまでもなく、災害への対応は政治の要諦です。政治家として、またNGOの一員としてそれに取り組んできた経験を踏まえ、災害対応、防災・減災などについて、その世界の最前線で活躍するスペシャリストたちとの対談を通じて、あらためて考えてみたいと思います。

 トップバッターは2018年11月に「減災サステナブル技術協会」を設立した千葉大学大学院工学研究院の浅沼博教授。科学技術の分野から、減災・防災のアイディアについて、じっくりうかがいます。

浅沼 博(あさぬま・ひろし)
千葉大学大学院工学研究院教授。工学博士。東京大学大学院工学系研究院博士課程修了。東京大学生産技術研究所助手・特別研究員、千葉大学工学部助手、同助教授、同准教授をへて、2009年から現職。2018年11月5日(世界津波の日)に、「あらゆる科学技術を駆使し、災害の元になる各種の破局的自然現象等を回避、緩和あるいは無害化するための、様々な革新的技術を創造、開発、実践する」ことを目的とした(一社)減災サステナブル技術協会を設立、会長に就任。

対談する浅沼博教授(左)と阿久津幸彦衆院議員拡大対談する浅沼博教授(左)と阿久津幸彦衆院議員

「減災サステナブル」に共感

阿久津 浅沼先生から初めて、減災サステナブルについてお聞きしたときのことが忘れられません。「科学技術がこれほど目覚ましい発展を遂げているにも関わらず、多くの人命が災害により失われている。新たな学問と技術の力をもって、これに立ち向かう挑戦をしなければならない。日本は防衛力強化のために科学技術を用いていくのではなく、防災・減災力強化のために科学技術を活かしていくべきだ」という先生の構想に、私は強く共感しました。

浅沼 東日本大震災をきっかけに、私の専門である航空宇宙分野の最先端技術を、「災害を減じる」減災に応用できないかと考えたのが、私の「減災サステナブル」構想の始まりでした。災害時のためだけに備える設備ではなく、日常的に役立つものでなければならない。その矛盾を解決するヒントとなるシステム的な考え方が、実は航空宇宙分野にはあります。本構想は、NASAの研究者をはじめ、海外の方々にもすでに強く共鳴、応援をいただいています。


筆者

阿久津幸彦

阿久津幸彦(あくつ・ゆきひこ) 立憲民主党衆議院議員(比例東北ブロック)

1956年生まれ。衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会理事。立憲民主党 役員室長、震災復興対策本部事務総長。内閣総理大臣補佐官、内閣府大臣政務官(防災・復興担当)などを歴任し、東日本大震災では、政府現地対策本部長代行、宮城現地対策本部責任者として陣頭指揮をとった。その後も被災地復興をライフワークに。元・緊急人道支援の国際NGO ジャパン・プラットフォーム(JPF)国内事業部長 兼 東北事務所長。元・硫黄島遺骨帰還特命チームリーダー。