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工事が進む辺野古沖。護岸内の海水は濁っている=2019年2月17日午後、沖縄県名護市、朝日新聞社機から拡大工事が進む辺野古沖。護岸内の海水が濁っている=2019年2月17日、朝日新聞社機から

自然からちからをいただいて自分で切り抜ける

2月22日(金) 朝、早く起きたら、那覇は天気がぐずついている。午前8時半過ぎにRBCのS部長から「今日は現地が雨天でヘリは飛ばなくなった」との連絡が入る。まいった。あしたがオンエアの日だ。あすのオンエアは中継対応なので、僕らはこちら沖縄に残る。だから最終的には明日の朝もヘリ空撮が可能だ。お天気も晴れの予報。ヘリ空撮にこだわるのは、辺野古の埋め立て状況が有無を言わさぬ形でここまで来ているということを視聴者に対して「映像で」きちんと見せることが大事だと思うからだ。さらに沖合のマヨネーズ状の軟弱地盤地点をしっかりとみることも重要だからだ。

 とにもかくにもヘリが飛ばない最悪の事態のリカバリーのために、地上からの映像でリポートを撮るために辺野古の現地へと向かう。名護に近づくにつれて雨足が強くなってきた。まいった。これじゃあヘリは飛べないな。勝手知ったる大浦湾周辺の俯瞰撮影地点まで行き、軟弱地盤問題リポートを短く撮り、移動して対岸の俯瞰地点からも工事の進捗状況リポートを撮った。こんな雨天なのに必死に埋め立て工事をしている。

 取材中にたまたま名護を訪れていたハワイ州のロブ・カジワラさんに会う。会いたい人だと思っていたら会えた。こういうこともあるのだな。彼らは汀間(ていま)漁港から船で大浦湾の沖に繰り出していく直前だった。せっかくなので話を短く聞いた。その後、旧コザ、沖縄市の桑江朝千夫市長にインタビュー。沖縄市は県民投票参加拒否を表明していた5市のうちのひとつ。市長はあっけらかんとしていた。2択では絶対に乗れなかったと。県民感情はもっと複雑だと。ここまで言うかと驚いたのは「私は街頭に出て投票を呼びかけるようなことをする気はありません」と。

 那覇に戻って夕方、頭の中を整理。そこに明日のヘリが飛ばないとの連絡が入る。何でも、土日は人繰りがつかないからだと。えっ? 体からちからが一気に抜けた。ではドローンはどうかと考えたが……。

 深夜、地元のベテランK記者と情報交換。地元のテレビ局も報道の仕事を続けていく上では大変困難な環境になっているのだとわかる。

2月23日(土) 「報道特集」のオンエア日。早起きして、きのう運転手さんに教えてもらった「ちからをもらえる場所」に行った。 ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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