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破壊者か救世主か?小泉首相の劇場政治が開幕

平成政治の興亡 私が見た権力者たち(12)

星浩 政治ジャーナリスト

首相就任後、総裁選の「公約」を果たすため靖国神社に参拝した小泉純一郎首相=2001年8月13日拡大首相就任後、総裁選の「公約」を果たすため靖国神社に参拝した小泉純一郎首相=2001年8月13日

評価がくっきり分かれる小泉政権

 2001(平成13)年4月26日に発足した小泉純一郎政権は、06年9月26日まで5年5カ月に及んだ。長期と呼んでいいこの政権に対する評価は、政治学者や政治記者たちによってくっきりと分かれる。

 賞賛派は①公共事業削減など橋本派を中心とする族議員のしがらみを壊した②不良債権処理で思い切った対策をとった③規制緩和を進め、小さい政府路線を進めた④ブッシュ米大統領との個人的な信頼関係を築き、日米同盟を強化した――などを評価する。

 一方、批判派は①規制緩和や公共事業の削減が行き過ぎて、大企業と中小企業、大都市と地方などの格差が拡大した②消費税率の引き上げを見送り続け、財政再建や社会保障の整備が進まなかった③靖国神社を毎年参拝し、アジア諸国の不信を募らせた④米国のイラク戦争に追従して自衛隊を派遣したが、その根拠は検証しなかった――などを指摘する。

 私の評価は、両者の中間からやや批判派寄りである。高い支持率を誇り、長期政権を維持する力があればこそ、消費増税や社会保障の抜本改革、アジア諸国との協力体制作りなどにエネルギーを注ぐべきだったと思う。

大衆の心を巧みにつかむ

 それでも、小泉政権の誕生は世間から喝采を浴びた。小泉氏と同い年で、ともに自民党内にいたときも、与野党に分かれても、対立し続けた小沢一郎氏は、小泉氏をこう評価している。

「政局勘がいい。それと、大衆の心をつかむのが上手だった。悪く言えばアジテーター。政治というのは、どうしてもポピュリズム的な要素を含むから悪いことじゃない」(

 小泉政治とは何か。そこを分析するには、小泉氏の経歴を探る必要がある。

 月刊「文芸春秋」2019年1月号 P245

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筆者

星浩

星浩(ほし・ひろし) 政治ジャーナリスト

1955年福島県生まれ。79年、東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、外務省、自民党などを担当。ワシントン特派員、政治部デスク、オピニオン編集長などを経て特別編集委員。 2004-06年、東京大学大学院特任教授。16年に朝日新聞を退社、TBS系「NEWS23」キャスターを務める。主な著書に『自民党と戦後』『テレビ政治』『官房長官 側近の政治学』など。

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