強姦罪の審議でおじさん議員が放った有り難いヤジ
元参院議員・円より子が見た面白すぎる政治の世界① 細川護熙氏の“告白”
円より子 元参議院議員、女性のための政治スクール校長

参院本会議で代表質問する民主党の円より子さん=2005年9月29日
連載・女性政治家が見た! 聞いた! おもしろすぎる日本の政治
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男性優位が根強い日本の政治
「平成」という時代が間もなく終わる。その30年あまりの年月のほとんどの期間、私は政治に関わって生きてきた。
平成政治をあらためて見渡してみて感じるのは、日本の政治や政界は明らかに「男たちの園」という現実である。たとえば現在、国会議員に占める女性の比率は13.7%。世界の先進国と比較して、あまりにも低い。
もちろん、変化もあった。

1989年参院選。公示日に社会党比例区の女性候補7人と名古屋駅前に立った土井たか子委員長。「女たちの参院選」を強調した=1989年7月5日
真っ先に思い出すのは、平成が幕を開けて半年後の1989年夏の参院選。土井たか子委員長が率いる社会党が躍進、11人の女性議員が誕生し、“マドンナ旋風”と言われた。さらに90年代以降、自民党の一党支配が崩れ、政権交代や連立政権が起きるなかで、女性閣僚も珍しくなくなった。フルスケールとしては平成最後の年になった昨年は、選挙の候補者が男女均等になるよう各政党に努力義務を課す法律も成立した。
ただ、政治の内実――誰が決めているのか、どういう政策が指向されるのか等々――を見るとき、男性優位は今なお堅固だ。平成5(1993)年、「女性のための政治スクール」を開講し、女性政治家の輩出と、女性の声が政治に反映する環境を目指してきた身にすれば、内心忸怩(じくじ)たる思いは禁じ得ない。
とはいえ、私は悲観してはいない。先述したように、徐々にではあるが、女性の政治進出は着実に進んでいるし(地方議会では、女性が半数を占めるところもある)、さまざまな分野で多様性が増すであろうポスト平成の日本において、男性政治家だけでは対応できなくなるのは明らかだからだ。裏を返せば、女性政治家がふつうになる時代にならないと、日本の未来はない。
そのために何をしなければならないか? 自ら政治にかかわって生きてきた平成の時代を振り返り、そこから進むべき道を考えてみたいと思う。「行く末」を考えるには、「来し方」を知らないといけないからだ。
まずは男社会の政界の現実を象徴するエピソードからはじめよう。