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祝賀ムード一色の「令和フィーバー」は何ものか

新元号をめぐる、節操のない自分や世間にうんざり。せめて考えたいフィーバーの正体

鈴木洋仁 東洋大学研究助手

新元号「令和」書き初め祭り。書家の吉川壽一さんの書を囲み、参加者は思い思いの色で書いた新元号「令和」を掲げた=2019年4月2日、福井市 
拡大新元号「令和」書き初め祭り。書家の吉川壽一さんの書を囲み、参加者は思い思いの色で書いた新元号「令和」を掲げた=2019年4月2日、福井市

まず自分自身にうんざり。だが……

 うんざりです。

 何にか?元号をめぐる節操のなさにです。

 誰の節操がないのか、と言えば、まずもって私自身です。

 新元号が発表される直前から、多くのテレビ番組や新聞・雑誌からのご依頼をいただきました。これまで、「元号」にかかわる本を書くなど、元号の専門家とみなされてきたからでしょう。

 もちろん、そうした依頼には、できるかぎりお応えしてきました。私のような者にお声がけくださるだけで、とてもありがたく、また、事前に周囲からさんざん言われた通り「稼ぎ時」でもありました。

 とはいえ、あまりにも節操がない、という忸怩(じくじ)たる思いや反省を通り越して、自分自身にうんざりしています。せめて、何かの基準や見識をもって、私の能力にふさわしい程度にとどめるべきでした。

 ただし、この節操のなさは、私だけのものではなかったという、いささか言い訳めいた感想もまた、同時に抱いています。日本全国をおおった一連の「令和フィーバー」といいますか、新元号の発表をめぐる騒ぎぶりに、あまりにも節操がないと思うのです。

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筆者

鈴木洋仁

鈴木洋仁(すずき・ひろひと) 東洋大学研究助手

1980年東京都生まれ。2004年京都大学総合人間学部卒業後、関西テレビ放送入社。その後、ドワンゴ、国際交流基金、東京大学特任助教を経て現職。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。専門は社会学。著書に『「元号」と戦後日本』(青土社)、『「平成」論』(青弓社)がある。

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