メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

塚田氏の「忖度」発言があぶり出す日本政治の病

国交副大臣辞任に追い込まれた塚田氏の問題発言を契機に考えるべきこととは

米山隆一 前新潟県知事。弁護士・医学博士

地方財政を圧迫する大型公共事業

stockphoto mania/shutterstock.com拡大stockphoto mania/shutterstock.com
 ところが、あまり知られてはいないのですが、この手の(超)大型公共事業は、国の事業であっても、建設費の二分の一から三分の一は地元が負担し、維持費も原則として全額地元負担です。

 現在、地方財政はおしなべて逼迫(ひっぱく)しています。各地で「悲願」とされている公共事業が実際に着手されると、まず間違いなく、地方債で調達される建設費とその後の維持管理費が地方財政を長期にわたって圧迫します。予算として使える総額が限定されている以上、そのしわ寄せは当然ながら他の財政支出の削減、具体的には今後本格的に増加する既存のインフラの修繕費や、高齢化によって拡大する福祉予算の削減に向かわざるを得ません。

 また、この手の(超)大型公共事業は、前述のように「地域経済を大きく発展させる起爆剤となる」と喧伝(けんでん)されるのですが、実際のところその効果は極めてあやしいと言わざるを得ません。

 人口が増え続けていた高度成長期なら、そのままでは一人当たりのインフラ量(例えば一人当たりの道路総延長)が年々小さくなるわけですので、インフラの拡充でそのボトルネックを解くことが、地域の経済発展に繋(つな)がったのは事実だと思います。しかし、少子高齢化によって急速に人口が減少しているいま、何もしなくても一人当たりのインフラ量は増加して、ボトルネックはどんどん解消されてしまうのであり、かつてのような効果は期待できないのです。

地域の気概を奪うものは

 牽強付会な理屈で、過大な経済効果を期待されている(超)大型公共事業は、いざ実現するや、パッと見は豪華だけれど、実のところ特段何も生み出さず、にもかかわらず長期にわたって莫大(ばくだい)な費用を消費して地方を消耗させる「白い象」になってしまう可能性が、相当程度に高いものと私は思います。

 そして実のところ、このことは霞が関の官僚も、地方自治の現場でも気づかれています。 ・・・ログインして読む
(残り:約1021文字/本文:約4204文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

米山隆一

米山隆一(よねやま・りゅういち) 前新潟県知事。弁護士・医学博士

1967年生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学系研究科単位取得退学 (2003年医学博士)。独立行政法人放射線医学総合研究所勤務 、ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院研究員、 東京大学先端科学技術研究センター医療政策人材養成講座特任講師、最高裁判所司法修習生、医療法人社団太陽会理事長などを経て、2016年に新潟県知事選に当選。18年4月までつとめる。2012年から弁護士法人おおたか総合法律事務所代表弁護士。

米山隆一の記事

もっと見る