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立憲への風がやんだ 「亥年」の統一地方選

北海道知事選の惨敗から見えた「結党ストーリー」の終焉

山下剛 朝日新聞記者

菅官房長官に近い自公候補に「北海道独立」で対抗したが…

 知事選には、鈴木氏と石川氏が立候補し、無所属の新人同士の一騎打ちとなった。開票結果は以下の通りだ。

鈴木直道 1621171票(得票率63%)
石川知裕   963942票(得票率37%)
投票総数 2613522人(投票率58.34%)

 石川氏は、いうまでもなく小沢一郎・自由党代表の元秘書だ。2007年に繰り上げ当選で民主党の衆院議員になったが、2010年に小沢氏の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で逮捕された。最高裁まで争ったものの、有罪判決を受けている。

 この事件の記憶が有権者の判断に影響しなかったとは考えにくい。

 とはいえ、故・中川昭一氏(自民)の強固な地盤だった北海道11区を掘り起こしてきただけあって、演説も巧み。地場産品や地域課題を採り上げながら政策を訴え、「相手候補はイケメン。私には子どもが2人いる。イケメンよりイクメンで」と笑いを取りつつPRした。

 掲げたのは、「北海道独立宣言」。「戦うときには戦う知事でないといけない」と訴えた。北海道民のアイデンティティを刺激しつつ、自民、公明の与党が推薦し、菅義偉官房長官との近さも指摘された鈴木氏との違いを強調するものだ。

拡大北海道知事選の鈴木直道候補(右)の応援に訪れた菅義偉官房長官=2019年4月6日、札幌市中央区

 「イデオロギーよりアイデンティティ」を掲げ、「オール沖縄」で与党系候補を破った昨年9月の沖縄県知事選が念頭にあったに違いない。公示日前日には玉城デニー沖縄県知事も石川氏の応援に入った。

 こうした動きに、鈴木氏は「国の力は頼らなくてもいいという意見もあるようだが、違うと思う。いまこそ国と北海道と市町村が一体となって、難局を乗り越える時代だ」と反論に追われた。「独立宣言」を争点化することに成功したのだ。

 では、何が欠けていたのか。

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筆者

山下剛

山下剛(やました・ごう) 朝日新聞記者

1999年、朝日新聞入社。高知、京都総局、大阪社会部を経て、2008年から政治部。首相官邸や自民党、民主党を担当し、第2次政権発足前の安倍晋三首相の番記者などを務める。2013年に世論調査部に移り、世論調査や選挙の情勢調査、出口調査に携わる。2016年からは地域報道部。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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