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平成は「動機のないミステリー」

合理的でない事件の連続、「令和」は不条理からのスタート

市川速水 朝日新聞編集委員

新しい紙幣

拡大新しい日本銀行券と五百円硬貨について記者会見で説明する麻生太郎財務相=2019年4月9日、東京。霞が関
 紙幣を5年後に新しくするという4月9日のニュース。

 観光立国へ力を傾けるなか、外国人に不評なキャッシュ(現金)社会を変えようとしている時に、なぜ新札の話なのか。なぜ新元号の発表と改元の間に発表の日を選んだのか。「以前から検討していた」「偶然の一致」だという。つまり特別な動機はないらしい。でも、これが果たして合理的な行動といえるのだろうか。

 なぜ苦戦しそうな大阪と沖縄の衆院補選告示の日に「5年後」の話をぶつけてきたのだろうか。その前には、関門海峡を結ぶ「下関北九州道路」事業をめぐって、国土交通副大臣が、副総理の意向を「忖度する」と発言し、辞任に発展した。この副大臣は後に「真実と異なる」と撤回したが、自分で「忖度」と言った事実が「事実と異なる」というのは、日本語として破綻している。

 忖度に言及した動機は何なのか。ウソならウソで、なぜそう言ったのか。腑に落ちるような合理的な説明は聞けていない。

 その「忖度した」と言われた側の麻生太郎副総理(財務相)が、

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筆者

市川速水

市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員

1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。

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