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「令和」の書を傍らに、記者会見する安倍晋三首相=1日午後0時17分、首相官邸拡大「令和」の書を傍らに、記者会見する安倍晋三首相=2019年4月1日午後0時17分、首相官邸

新元号のNHK特番、みていてだんだん苦痛になってきた

4月1日(月) 新しい元号が決まる日だ、今日は。早めに局に出て、テレビをモニターしていた。局に着いてテレビのモニターをみる。午前8時39分段階。NHKは、例の岩田明子記者がスタジオ生出演で解説していた。フジテレビは、新元号まであと2時間50分45秒とかカウントダウンしていた。宮崎県の「安久」町を取材していた。新元号が「安久」になることをあてこんでの、やけくそ企画みたいなもんだ。テレビ朝日とテレ東は今のところ通常通りの番組。だが、テレ朝は途中から元号特番モードに。いくつかの局が、有識者会議のメンバー、宮崎緑氏と林真理子氏が自宅を出るところを放送していた。すごいことになっている。宮崎緑氏は不可思議な服装をめしておられた。以降、僕はずっとNHKをみていた。すると、だんだん苦痛になってきたのだった。

 官邸の記者会見室は満席だ。「日本中がこの歴史的瞬間を待ちわびている。まさに歴史の1ページに残る瞬間がこれから始まる」とNHKのアナウンサーはコメントして盛り上げている。ゲストの所功京都産業大学名誉教授が「歴史の場に立ち会うということで興奮しております」。

 午前11時25分。臨時閣議終了と報じる。発表が始まると言われていた午前11時30分になっても何も起こらない。岩田記者「官房長官はおそらく会見場に向かっているところだと思われます」。女性ゲストのひとり中川翔子という人が「定刻を過ぎてから心臓のドキドキが止まりません」。11時32分。「杉田官房副長官から宮内庁に報告が行く……」。ヘリ空撮で皇居に向かう車をワイプ画面で映し出している。所氏「政令で定める。政令に天皇が署名する。憲法に定められていることですから……」。11時40分。岩田コメント「安倍総理としては、夢と希望が咲き誇る。次の時代に向けた思いを新しい元号に重ねている……」。アナウンサー「菅官房長官が入ってきました。平成に替わる新しい元号は何になるんでしょうか」。

 午前11時41分。「新しい元号は『令和』」。……墨書された「令和」のパネルに視線が集中する。「出典は万葉集の中にある……」。岩田記者解説「令は、よいという意味、和は、穏やか、争いのない。総理も色紙にサインする際、『和をもって尊しとなす』と書いていたように『和』にこだわりがあった」。選んだ思いについては、「安倍総理が後ほど、どういった思いを寄せたのか、将来の希望……」(何だかまるで安倍首相が全部決めたみたいだな)。所氏「ちょっとびっくりしました。従来は中国の古典から。万葉集のことばがき……」。菅官房長官「今般決定した元号が広く国民に受け入れられ……」。

 11時52分、NHKが万葉集の出典の文章を記したフリップを見せていた。他局はどこもフリップを作成していない。事前に知って ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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