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バイアグラは半年で認可、ピルは34年の不条理

元参院議員・円より子が見た面白すぎる政治の世界⑥男性優位の政策決定との対決

円より子 元参議院議員、女性のための政治スクール校長

maroke/shutterstock.com拡大maroke/shutterstock.com

繰り上げ当選で参院議員に

 1993年7月、突然の衆議院解散に伴う総選挙に、日本新党から参院議員の細川護熙さん、小池百合子さんが立候補したため、繰り上げ当選した私は、参院議員として国会で仕事をすることになった。ただ、所属委員会の希望は出せず、空いていた地方行政委員会の委員が割りあてられた。

 記念すべき私の初質問は、「女性の再就職時の年齢制限の撤廃」だった。

 夫の暴力や浮気などで女性が離婚に踏み切ろうとしても、求人情報にはすべて「30才まで」といった年齢制限がある。出産などで仕事をやめた場合も、女性が正社員になる道はほぼ閉ざされていた。日本はとかく若い女性ばかりが優遇される傾向があった。

 アメリカでは、1968年に年齢差別禁止法ができていた。日本は終身雇用制が主流のため、年齢が高いとそれなりの報酬を出さなければと考える使用者側の理屈があるのだろうが、政府や地方自治体が年齢差別に加担しているのは、どうしても納得できなかった。

年齢制限、教員は35歳、保育士は27歳

参議院地方行政委員会で年齢制限について質問する円より子さん=1993年11月2日拡大参議院地方行政委員会で年齢制限について質問する円より子さん=1993年11月2日
 憲法14条では「すべての国民は法の下に平等であって」と書かれているが、人種・信条・性別はあっても「年齢」は出てこない。ただし、22条では「職業選択の自由」が保障されているし、27条では勤労の権利と義務に言及しているのだ。年齢が高いとか、子どもがいるとかいった理由で、職業選択の自由が窓口のところで奪われていいのだろうか。

 当時、教師の再就職時の試験で年齢差別を撤廃していたのは、富山県など4県に過ぎなかった。今は、保育所や保育士の不足が問題になっているが、私の耳には、「自分の子どもを育て、保育について理解が深まってきたのに、公立の保育園の保母にはなれない」「まだ30才なのに、年齢制限で試験すら受けさせてもらえない」といった声が、数多く入ってきていた。地方行政委員会で自治大臣に質問するにはかっこうの事案だった。

 事前に厚生省、労働省、文部省の担当者から、各地域では教員と保育士の年齢制限が何歳で設定されているのか聞いてみた。保育士は厚生省、教員は文部省の管轄だが、どちらの省も、「地方自治体が決めることで、私たちは関与してません」とケンもほろろ。「調べてもらえますか」とお願いしても、「関与することではないので」。

 「センセイ」なんて言われても、一年生議員のいうことなど、官僚は聞く耳を持たないのだ。

 そうですか。では仕方がない。秘書たちと手分けして、県、政令都市、中核市などリストアップして電話をかけ、出てきた平均値は、教員が35才、保育士はなんと27才だった。

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筆者

円より子

円より子(まどか・よりこ) 元参議院議員、女性のための政治スクール校長

ジャパンタイムズ編集局勤務後、フリージャ―ナリスト、評論家として著書40冊、テレビ・講演で活躍後、1992年日本新党結党に参加。党則にクオータ制採用。「女性のための政治スクール」設立。現在までに100人近い議員を誕生させている。1993年から2010年まで参議院議員。民主党副代表、財政金融委員長等を歴任。盗聴法強行採決時には史上初3時間のフィリバスターを本会議場で行なった。

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