山本太郎氏「れいわ新選組」の公約は実現する!?
衝撃公約の実現可能性を探ってみると、ひょっとすればの道が見えてきた
米山隆一 衆議院議員・弁護士・医学博士

政治団体「れいわ新選組」の立ち上げを表明する山本太郎氏=2019年4月10日、国会内
「れいわ新選組」の衝撃的な公約
山本太郎氏が以下の衝撃的な公約を掲げ、「れいわ新選組」を立ち上げました。
①消費税廃止
②最低賃金1500円(政府補償付)
③奨学金徳政令
④公務員増
⑤一次産業戸別所得保障
⑥トンデモ法一括見直し
⑦辺野古基地建設中止
⑧原発即時廃止
です。
山本太郎さんには、私が新潟県知事選挙に立候補したときにずいぶんお世話になり、その後も色々な所で同席させて頂き、ご縁浅からぬものがあります。
氏の勇気あるチャレンジに敬意を表して、国、地方とも財政事情の厳しい今、財政措置を必要とする①~⑤について、「れいわ新選組」の公約は実現可能か、検討してみたいと思います。
まず取り組むべきは最低賃金1500円
とはいえ、ただ単に検討すると、「財源不足でできません」の一言で終わってしまってまったく面白くありません。せっかくですので、「多少公約を変更してでも、可能な限り実現するにはどうしたらいいか」という方向で検討させていただきたいと思います。
さて、「可能な限り実現する」→「可能なところから実現する」という観点からすると、まず取り組むべきは、私は「最低賃金1500円」であると思います。理由は簡単です。国の財源が必要な消費税廃止や奨学金徳政令と違って最低賃金は、これを払うのは民間ですから、財源は不要。理屈としては、明日からでも実現できるからです。
しかし、いきなり最低賃金を20%引き上げ、失業の山を築いた韓国の失敗を鑑みると、現在加重平均で874円の最低賃金をいきなり倍近くの1500円に上げるのは現実的ではありません。デービッド・アトキンソン氏が提唱しているように、年5%ずつ11年かけて1500円にするのが現実的だと思います。現在地域ごとに異なる最低賃金の一律化は、この過程で東京に地方が追いつく形で実現できます。