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小沢一郎が構想した予算編成

(8)小沢は裏の国家戦略局長となり、与党・政府一体化の政治システムが現出していた

佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

小沢が主導した予算編成

拡大陳情について検討する会議に臨む民主党の小沢一郎幹事長(中央)ら=2009年12月2日、国会
 しかし、2009年の秋から冬にかけて、看板の国家戦略局が沈んでいく一方で、民主党政権内では驚くような動きが始まっていた。民主党幹事長室をダイナモとして、まさに政治主導の予算編成が始動したのだ。その中心にいて差配していたのは、党幹事長の小沢一郎だった。

 党と内閣を一体化させるために族議員を生みやすい政策調査会をなくし、地方などからの予算陳情を党幹事長室と各都道府県連に一本化させたことは前回の小沢一郎戦記(7)『国家戦略局が沈み、小沢一郎幹事長が浮かんだ』で触れたが、2009年12月16日、小沢は幹事長室など党の議員約20人とともに首相官邸に鳩山由紀夫を訪ねた。2010年度予算案などに関する要望書を手渡すためだった。

 要望書の中では、マニフェストに掲げていたガソリン税の暫定税率廃止について「現在、石油価格は安定しているので、ガソリンなどの暫定税率は現在の租税水準を維持する」と書かれていた。民主党は2008年1月に「ガソリン値下げ隊」をつくり、暫定税率の廃止キャンペーンを繰り広げていたため、この方針変更については強い批判を受けた。

 「あの時は本当に苦しかった」

 鳩山由紀夫はこの時の経緯を振り返って、こう回顧した。

「自分としては、政権を取る時に、こういった暫定税率はもうやめにしようと話をしていたわけですから。しかし、財務省からはいろいろと資料を見せられて、また、暫定税率をなくすとガソリンがたくさん使われて環境に悪いというメッセージもたくさん流れてきて、私はここは非常に迷いました。その時に、小沢さんが

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筆者

佐藤章

佐藤章(さとう・あきら) ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

ジャーナリスト学校主任研究員を最後に朝日新聞社を退職。朝日新聞社では、東京・大阪経済部、AERA編集部、週刊朝日編集部など。退職後、慶應義塾大学非常勤講師(ジャーナリズム専攻)、五月書房新社取締役・編集委員会委員長。著書に『ドキュメント金融破綻』(岩波書店)、『関西国際空港』(中公新書)、『ドストエフスキーの黙示録』(朝日新聞社)など多数。共著に『新聞と戦争』(朝日新聞社)、『圧倒的! リベラリズム宣言』(五月書房新社)など。

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