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防弾車で巡るジュバ。野球ができると牛のお告げ

野球人、アフリカをゆく(2)大学で見つけた砂地のグラウンド。そこに牛が現れて……

友成晋也 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

拡大ジュバ市内を走っていると、牛の大群に遭遇し、往生することもしばしば。必ず牛使いがいて、進行をリードする。

移動は防弾仕様の四駆車で

 「友成さん、ドアに気を付けてください!重たいので、指が挟まったらちぎれますよ!」

 物騒なことを言われて、はっとした。

 南スーダンの首都ジュバに着任して4日目に、初めての休日を迎えた。同僚に付き合ってもらい、宿舎から買い物に行こうとしたときのことだ。移動手段はトヨタランドクルーザー。しかし、これは単なる四駆車ではない。

拡大一見、普通の四駆車にしかみえないが、鉄板が入っている分、車内は普通乗用車以上に狭い。強化ガラスを使っているため、窓もあかない。しかし、どこで何が起こっても、とりあえず安心。
 「防弾車だから、ドアをはじめ天板も床板も厚みのある鉄板が入っているんです。窓は強化ガラスで銃弾を通しません。車の重量は5トンにもなるんです」

 南スーダンでは、これまで大規模な衝突が二度も起きたことから、今や平穏になったジュバ市内であっても、国連や援助機関の多くは今でも徒歩の移動を禁止している。移動するときは車に乗ることが義務付けられているところが多い。

私の所属先も同じで、さらに安全性を高めるため、移動手段は防弾車必須、としている。たとえ休日であっても防弾車の扱いを熟知しているドライバーが運転してくれる。同僚は「移動シェルターみたいなもんです」というが、外出していても、いざというときの安心感を与えてくれる。これはとてもありがたい。


筆者

友成晋也

友成晋也(ともなり・しんや) 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

中学、高校、大学と野球一筋。慶應義塾大学卒業後、リクルートコスモス社勤務を経てJICA(独立行政法人国際協力機構)に転職。1996年からのJICAガーナ事務所在勤時代に、仕事の傍らガーナ野球代表チーム監督に就任し、オリンピックを目指す。帰国後、2003年にNPO法人アフリカ野球友の会を立ち上げ、以来17年にわたり野球を通じた国際交流、協力をアフリカ8カ国で展開。2014年には、タンザニアで二度目の代表監督に就任。2018年からJICA南スーダン事務所に勤務の傍ら、青少年野球チームを立ち上げ、指導を行っている。著書に『アフリカと白球』(文芸社)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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