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防弾車で巡るジュバ。野球ができると牛のお告げ

野球人、アフリカをゆく(2)大学で見つけた砂地のグラウンド。そこに牛が現れて……

友成晋也 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

昔ながらのアフリカのイメージ

拡大幹線道路から一歩入ればうねるような未舗装のでこぼこ道。雨が降るとさらに悪化し、歩行も難しくなり、遮断される道も出てくる。
 職場の同僚の村上淳は、休日とあって短パンにTシャツのラフな姿だ。中肉中背で日焼けした顔が精悍な印象を与える。大学卒業後、8年間超の陸上自衛隊勤務を経てJICAに転職した変わり種。最初の在外事務所経験がアフガニスタン、二度目が南スーダンと、経歴は何ともワイルドで勇ましい。ジュバでは管理職として安全管理を担当している。

 「村上さんは、休日でもテキパキしているね。頼もしいわ」

 二人を乗せて走り始めた防弾車は、宿舎を出て未舗装の道をゆっくり進む。

「普通の車よりも重たいので、雨期の軟弱な道だと、凸凹をさらに増幅させちゃうんですよね」

 雨季だけに、ところどころに大きな水たまりもある。ジュバには下水施設がないため、乾いて蒸発するか、地面に浸透しない限り、そのまま残っている。車はサスペンションが効いてるものの、運転手は左右にハンドルをきりながら走るため、車体は上下左右に大きく揺れ動きながら走る。会話も途切れ途切れになって落ち着かない。シートベルトだけでなく、車内の取っ手をつかんでいないと、頭を天井や窓にぶつけてしまいそうだ。

 そのうち、すっと車体が安定した。市内の幹線道路はアスファルト舗装なので、居心地よく走行できるようになる。

拡大ジュバの市内の舗装道路は少しずつ増えてきている。バイクのヘルメットはしていない人がほとんど。
 「南スーダンは日本の国土の1.7倍の広さなんですが、舗装道路は、全国合わせて40キロちょっとしかないそうです」

 えっ?そんなレベルなのか。未舗装道路は雨季になると通行できなくなるところもある。物流や緊急時の対応など、さぞかし支障が多いだろう。

 「村上さん。21世紀に入ってアフリカは経済成長した国がずいぶん増えてきたけど、南スーダンは、アフリカの最後尾を走る、ある意味、アフリカの昔ながらのイメージの国だね」

 私の最初の海外赴任国ガーナは、21世紀に入り、石油などの資源を有効に活用して急激に発展し、2012年には経済成長率世界第一位に輝いた。二箇所目の赴任国タンザニアは、21世紀に入って年率5~7パーセントもの経済成長を継続させ、今や躍進するアフリカのトップランナーのひとつになっている。

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筆者

友成晋也

友成晋也(ともなり・しんや) 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

中学、高校、大学と野球一筋。慶應義塾大学卒業後、リクルートコスモス社勤務を経てJICA(独立行政法人国際協力機構)に転職。1996年からのJICAガーナ事務所在勤時代に、仕事の傍らガーナ野球代表チーム監督に就任し、オリンピックを目指す。帰国後、2003年にNPO法人アフリカ野球友の会を立ち上げ、以来17年にわたり野球を通じた国際交流、協力をアフリカ8カ国で展開。2014年には、タンザニアで二度目の代表監督に就任。2018年からJICA南スーダン事務所に勤務の傍ら、青少年野球チームを立ち上げ、指導を行っている。著書に『アフリカと白球』(文芸社)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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