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仏エリートの牙城の廃止を提唱したマクロンの勝算

黄色いベスト運動でENA廃止を提唱。格差の元凶、エリート支配は一掃されるか?

山口 昌子 在フランス・ジャーナリスト

官僚の質とモラルの向上を最優先

 1945年10月9日に政令として発令されたENA創設の「趣意書」には、「行政の全面的改革は、たとえ1940年の事件(パリ陥落)前から課せられていたにせよ、遅延した。改革は急を要する……」と記され、戦後の復興には「国家に奉仕する官僚」の、質とモラルの向上が最優先事項であると強調した。

 政令にはENAの目的として、①国民的アイデンティティーの再建②官僚の社会的階級からの独立③国益最優先のため各官庁間の隔絶解消④政治からの独立――などが規定されている。ENAを出世の道具、踏み台にして、政界や財界への転身を図るなど、もってのほかだった。

 ENA設立のこの政令に署名したのは、 ・・・ログインして読む
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筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) 在フランス・ジャーナリスト

産経新聞パリ支局長を1990年から2011年までつとめる。著書に『ドゴールのいるフランス』(河出書房新社)、『フランス人の不思議な頭の中』(KADOKAWA)、『原発大国フランスからの警告』(ワニブックスPLUS新書)、『フランス流テロとの戦い方』(ワニブックスPLUS新書)、『ココ・シャネルの真実』(講談社+α新書)、『パリの福澤諭吉』(中央公論新社)など。ボーン・上田記念国際記者賞、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受賞。

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