2019年05月10日
4月23日(火) 午前中「報道特集」の定例会議。頭の中を風が吹き抜ける。その後、調査案件で、一ツ橋のホテルにて原武史さんへのインタビュー取材。皇室研究の中では信頼するに足る数少ない人物のひとりだ。いわゆる天皇研究者のレベルがこのところ劣化の速度がひどい。インタビュー後に、神田のやぶそばで飲食をしながら原さんとしばしの懇談。
夜、早稲田のジャーナリズム研究の件で学生と話をする。世の中は同時進行でさまざまな出来事が起きている。中国でも一時的に富を手にした人が、次の瞬間にはその富を失って凋落していく。ゴーン日産前会長の追起訴。保釈請求。検察側の準抗告。裁判所が保釈申請にどのような判断をするのか要注目。
4月24日(水) 早起きをして局へ。その後、都内で大事な打ち合わせ。13時から、木内みどりさんが出演されている映画『こはく』をみる。なかなかの佳作。
早稲田大学でマスターの進路指導の一環としての制作系合同研究指導会。発表にはなかなか興味深いものがあったが、担当している一人の院生のケースで予期せぬトラブルがあった。自分にも責任がある。学生をencourageするのが研究指導会ではないのか。いろいろと思うところがあった。とにかく今は学生をencourageすることだ。
その後19時50分から一ツ橋の如水会館で、写真家・岩根愛さんの木村伊兵衛写真賞受賞記念パーティーに駆けつける。もう中締めに近い時刻になってしまった。今朝のメールで知って駆けつけたのだが前の予定が押した。岩根さんとは、その昔、ゴールデン街の故・奈美さんの店でご一緒したことが何度かあったなあ。いつも奈美さんに説教されていたようだ。僕がアメリカにいた時、奈美さんの葬儀の写真を送ってきていただいたのだが、その写真の記憶が強烈だった。パーティーは大盛況のうちに進行していた。会場で石内都さんに久しぶりに会う。桐生に移られて1年になったという。
何だかいろんなことが起きた一日だった。少々疲れた。夜、Mより電話。院生のケアをしてくれていた。こういうまともな人間がいることに、まだ希望が残っている。
4月25日(木) 早起きして諸準備。横浜の某所できわめて重要な取材。わずか30分だったが神経を集中したのでとても疲れた。何と言うかなあ。極限的な状況認識を維持したままだった。
午前11時21分、ゴーン前会長の保釈を認めるとのニュース速報が入る。保釈金5億円。今日中に保釈されることになるだろうとの見通し。その後、国際文化会館でノンフィクション作家・保阪正康さんへのインタビュー取材。
その後、渋谷に移動。打ち合わせ。時間が少しばかりできたので、新宿のニコンプラザで岩根愛さんの写真展「KIPUKA」に飛び込んで観る。これは実にスケールの大きな渾身の仕事だ。福島→日系ハワイ移民→盆踊りの継承→福島第一原発の過酷事故→避難民という名の追放→盆踊りの継承……まるでガルシア・マルケスの小説みたいな想像力の拡がりではないか。ハワイと福島が盆唄によって数世代にわたり繋がっているのだ。
18時から早稲田大学での玉城デニー知事&元山仁士郎さんの合同講演会。2人とも本当にGreat Communicatorだ。こういう政治家が出てくるとは、沖縄の多様で豊かな文化の証左。デニー知事は講演の最後に、官房長官が「令和」の文字を示したのと同じポーズで、東急東横店で開催されている「沖縄物産展」のチラシを掲げていた。「皆さん、沖縄物産店にぜひとも行ってくださいね」。いいなあ。元山さんもハンガーストライキの最中に、ハンガーストライキの意味を解さない一人のおばあが
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