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南スーダンで初の野球 大学学長への直訴が奏功

野球人、アフリカをゆく(3)自衛隊が整備したグラウンドに現れた牛に背中を押され

友成晋也 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

拡大ジュバ大学のグラウンドで行われた綱引き。学部対抗戦らしい。ガタイがいいので、迫力満点。勝敗がわかりやすいので、たくさん集まった学生たちも大興奮!

南スーダンで初のジャパンフェスティバル

 「ジュバ大学で初めてのジャパンフェスティバルを開催するので、開会セレモニーにJICA代表で挨拶をしてもらえませんか?」

 当地の日本大使館からこんな依頼が入ってきた。南スーダンに赴任して2週間がたった頃のことだった。

 日本文化を紹介し、交流するこういったイベントは世界各地で日本大使館が主催して行うことが多いようだが、南スーダンでは初めての試みだという。日本の映画を上映したり、和食を提供したり、日本に関する英文書籍を図書館に寄贈する。その他、日本の文化である綱引き大会も行うらしい。

華やかなキャンパスにドキドキ

拡大ジュバ大学の正門のわきに、「1st Japan-South Sudan Fair」のバナーがはってあった。
 9月13日の木曜日。指定された午後の時間に、防弾車でジュバ大学の正門から入ると、平日だけにたくさんの大学生が構内を歩いていた。

 先の休日にグラウンドを見るために初めて入ったときは、予備門のようなところから、日曜日の誰もいない構内を、グラウンドに一直線に向かったので、目に入る景色が全然違った。茶系の石張りの壁面で覆われた校舎は、古びてはいるが長い歴史を感じさせた。ジュバ大学は、独立前の「スーダン共和国」の時代に創立された由緒正しい国立大学だ。

拡大キャンパスを歩く大学生。みんな背が高い!
 対照的に、色とりどりの服装で行き来しているキャンパスの大学生たち。その雰囲気はとても活気があって華やかだ。

 四半世紀以上前を思い起こせば、自分も大学生だったが、体育会野球部に所属しており、大学には練習の合間に学ラン(黒い学生服)で行っていた。最後までベンチ入りもできず、そのくせキャンパスライフもほとんど味わえず、冴えない大学4年間の思い出を、色で表せばやや暗めのグレー。こういう華やかなキャンパスライフは、いまだに憧れであり、ドキドキする。


筆者

友成晋也

友成晋也(ともなり・しんや) 一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構 代表理事

中学、高校、大学と野球一筋。慶應義塾大学卒業後、リクルートコスモス社勤務を経てJICA(独立行政法人国際協力機構)に転職。1996年からのJICAガーナ事務所在勤時代に、仕事の傍らガーナ野球代表チーム監督に就任し、オリンピックを目指す。帰国後、2003年にNPO法人アフリカ野球友の会を立ち上げ、以来17年にわたり野球を通じた国際交流、協力をアフリカ8カ国で展開。2014年には、タンザニアで二度目の代表監督に就任。2018年からJICA南スーダン事務所に勤務の傍ら、青少年野球チームを立ち上げ、指導を行っている。著書に『アフリカと白球』(文芸社)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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