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「こんなはずじゃなかった」香港の無間道

天安門事件が変えた現代史30年

富柏村 ブロガー

香港を去る英王室専用船ブリタニア号船上で手を振る「最後の総督」パッテン氏とチャールズ皇太子=香港・金鐘、1997年7月1日拡大香港を去る英王室専用船ブリタニア号船上で手を振る「最後の総督」パッテン氏(中央)とチャールズ皇太子=香港・金鐘、1997年7月1日

返還前から事実上崩れた〈一国二制度〉

 中国はこの選挙で成立した立法局を認めず、返還でこの議会の解散を通告、代わりに返還後の1998年に予定されている最初の立法会選挙まで立法を司る臨時立法会を返還前に設けるという対抗措置をとった。臨時立法会は実質的に中国が親中派の投票人を決定した上での間接選挙で、当然、反政府の民主派は除外された。この臨時議会は英国統治下の香港では活動できないため、臨時立法会は1997年1月に広東省・深圳で成立、それが返還に合わせ香港に移行するとされた。この時点で〈一国二制度〉の原則は崩れていた。

 期待と不安の交錯するなか、1997年7月1日、ともあれ香港特別行政区が誕生した。香港の初代行政長官に選ばれた董建華は財界人で、返還前には香港政庁の行政局議員も務め、温和な人柄で、政治家でも公務員でもなく実業界からの行政長官選出に期待がもたれた。だが、

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筆者

富柏村

富柏村(ふ・はくそん) ブロガー

茨城県水戸市生まれ。1990年より香港在住。香港中文大学大学院修士課程(文化人類学)中退。フリーランスでライターもしていたがネット普及後は2000年からブログで1日もかかさず「 富柏村香港日剩」なる日記を掲載している。香港での日常生活や政治、文化、飲食など取り上げ、関心をもつエリアは中国、台湾やアジアに広く及んでいる。香港、中国に関する記事の翻訳もあり。

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