同郷の大平元首相を尊敬し、宏池会の穏健保守を掲げ国民民主党の代表になるが…
2019年06月09日
選挙イベント『2019夏 与野党激突!』のお知らせ
夏の参院選が近づいてきました。安倍首相が衆院解散を断行し、衆参同日選挙になる可能性も指摘されています。「論座」は7月7日に選挙イベント『2019夏 与野党激突!』を開催します。
第一部『中島岳志(東工大教授)×保坂展人(世田谷区長) 野党はどう闘うべきか』(チケット申し込みはこちらから)、第二部『中島岳志×望月衣塑子(東京新聞記者) 安倍政権を再考する』(チケット申し込みはこちらから)です。イベントの詳細はこの記事の末尾にあります。
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議員生活10年、当選4回にして国民民主党の代表を務める玉木雄一郎さん。野党側のホープとして、注目されています。
2009年8月の衆議院選挙で民主党公認として初当選。民主党政権が瓦解し、野党に下ると、2016年には民進党代表選に立候補し、次世代のリーダーとしての認知度が上がりました。希望の党公認として挑んだ2017年の衆議院議員総選挙を経て、希望の党共同代表に選出。さらに2018年に国民民主党が結成されると、代表選挙で津村啓介さんを破り、党首になりました。
玉木さんは香川県の寒川町(現・さぬき市)出身で、実家は兼業農家でした。保育所、幼稚園、小学校はすべて1クラス。中学校で2クラスになり、初めてクラス替えを経験したと言います。「そんな田舎が自分の原点」と言い、地方の視点から農業をはじめとする政策を論じることを特徴としています。(小野寺五典 , 玉木雄一郎「対話 政治家の役割とは何か?」『公研』2017年4月号)。
東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入省し、外務省への出向で中東での外交を経験します。金融企画局市場課課長補佐の時には証券取引法や金融先物取引法の改正に携わり、専門誌にいくつかの論文を発表しています。大阪国税局総務課長時代には「おもろいでっせ関西」という文章を雑誌『ファイナンス』に掲載し、関西人の「創意工夫」と「チャレンジ精神」が、これからの時代を切り拓くと述べています。
2002年から内閣府へ出向し、小泉内閣にて行政改革に携わります。ここでの経験が、玉木さんを政治家への道にいざなうことになります。
小泉政権では、いくつかの行政改革が進みましたが、次第に「違和感を覚えるようになった」と言います。
小泉改革も大事ですが、田舎には合わないなと。地方はどんどん人も減っていくし、寂れていくわけです。地方を元気にするためには、いろいろな仕組みを変えていかなければならないと考えたのが、政治を志す大きな理由の一つでした。(小野寺五典 , 玉木雄一郎「対話 政治家の役割とは何か?」『公研』2017年4月号)
玉木さんは自民党に代わるもう一つの受け皿が必要だと考えます。そして、2005年に財務省を退官し、同年の衆議院議員総選挙に民主党公認で香川2区から立候補します。しかし、あえなく落選。4年間の浪人生活を経て、2009年の政権交代選挙で当選しました。
玉木さんは、政治の役割を次のように位置づけます。
私は役所で働いていたこともあって、政策を作るのは好きです。しかし、政策だけをやりたいなら役人をやっていければよかった。政治の役割はそれだけではありません。最近は白黒はっきりつける政治文化になりましたが、ただ、現実社会はどっちも正しい、あるいはどっちも間違っているというのがほとんどです。それをぜんぶ呑み込んだ上で、折り合いを付けていくことが政治の作業です。(「政治部記者が最注目するこの男を覚えておこう「次の総理候補」民主党玉木雄一郎って何者だ」『週刊ポスト』2015年8月21日号)
また、同じインタビュー記事で「自民党で出るなら官僚をずっと続けていました」とも言っています。とにかく政権交代可能な勢力をつくりたい。与野党が闊達な議論を交わしながら、合意形成がなされていくダイナミズムを生み出したい。そんな思いを強く打ち出しています。
そのため、現在の政治状況には強い不満をにじませています。安倍内閣は、野党と議論しようとせず、強引な議会運営を繰り返します。そこには引き裂かれることの苦悩や葛藤が見受けられず、政治の本来の役割が見失われています。
一方、野党にも歯がゆい思いを募らせています。民主党政権が崩壊した後の2014年には、与党の内閣改造の報道を受けて、「悔しい」と率直に述べています。野党であるため、ポストに就くことができず、政府の一員として働くことができない。こんなに悔しいことはない。だからこそ、必死で政権奪取の戦略を立てなければならない。権力への執着を持たなければならない。そう言います。
民主党に欠けていた(今も欠けている)のは、何が何でも政権を奪取し、そして維持しようとする気概だ。今回の内閣改造を見て、政権にいないことの悔しさがこみあげてこなければ、仮に再び政権に返り咲くことがあっても、また簡単に手放すことになるだろう。目指す政策を実現するためには、権力が必要だ。いい意味での権力に対する執着がなければ、それは政治ではない。いかに力を蓄え、政権交代可能な信頼できるもう一つの政治勢力を築き上げていけるかが今、問われている。(「悔しくないのか?私は悔しい。」2014年9月5日ブログ)
大平さんは1960~70年代に田中角栄さんと盟友関係を結び、自民党宏池会を牽引した政治家です。大変な読書家であり、その深遠な思考から「田園都市構想」「環太平洋構想」などの大きなヴィジョンを打ち出すことのできた人物でした。その思想は保守に立脚しながらリベラル。常にバランス感覚を重視し、異なる立場の意見に耳を傾けました。
玉木さんは、大平元首相の構想のなかに、今でも活用できる重要なものが含まれていると言います。新自由主義が跋扈し、都市と地方の対立が先鋭化した現代に対して、両者が「積極的に補完しあう」と位置づけた「田園都市国家構想」は、その意義を失っていないと言います。また「アメリカだけでなくアジア諸国との関係重視を唱えた「環太平洋連帯構想」は、ポスト小泉の中、政策の方向性を見出せないでいる日本の政治に、大きな示唆を与えるもの」だと述べています。(「「大平元総理を再考する会」を開催しました。」2009年3月22日ブログ)
大平元首相の特徴は、ヴィジョンの確かさと共に、人望の厚さにありました。大平さんは多くのブレーンを抱え、的確な人材登用を行ったことでも知られています。人と丁寧に付き合い、粘り強い合意形成を信条としました。
玉木さんは、そのような大平さんの姿から、政治を政策立案能力に還元する見方を退けます。政治家は政策に精通するだけではいけない。「手間のかかる根回しに厭わず汗をかける」ことこそが重要であり、「大平元総理の「讃岐顔」を見るたび」にそのような政治家になりたいと思うと述べています。(「大平元総理の人となり」2010年3月15日ブログ)
玉木さんは言います。
いまや穏健保守の宏池会(かつての大平派)はどこへいったのかという感じ。ですから穏健保守・リベラル保守を一つに結集して、かなり右に寄ってしまった自民に対抗する勢力にしたいんです。大平正芳さんの『楕円の哲学』という言葉をいつも頭に入れています。楕円は焦点が二つあって、ときに反発する、あるいは相容れない二つのものが調和しながら併存することできれいな楕円が描けるという。これこそ私が目指す政治の理想です。何事にもバランスだと思います。(『週刊ポスト』2005年8月21日号)
玉木さんは2016年の民進党代表選挙出馬の時期から、「リベラル保守」という言葉を使って、自らの立場を打ち出しています。これは自由や寛容を重視しながら、この国の価値の連続性を保守するというスタンスで、大平さんを一つのモデルとしています。
民進党代表選挙の際に受けたインタビューでは、「もう一度、民進党の立ち位置とは何かを明確にしたい」とした上で、明確に「『リベラル保守』と呼ぶポジションを取りたいと思う」と述べています。
玉木さんが言う「リベラル保守」は、「認めあって協調することを守る考え方」であり、目指すのは「多様性を尊重し、抑圧や規制を加えるのではなく、のびのびと力を発揮できる環境を作ること」。偏狭で排他的な右派のように「中国がけしからん、韓国がけしからんといって敵ばかり作って攻撃するのは『保守』じゃない」。「人はそれぞれが違っているけど、一人一人が尊重される」べきであり、現在の自民党のような権威主義的な姿勢とは対極にあります。リベラル保守は「現実的で、穏健な保守」であり、「大平正芳元総理のような考え方を民進党の中心に据えたい」。そう言います。(BuzzFeed News 2016年9月10日)
このような考え方は、希望の党に移行する際にも変わらず、むしろ「寛容な改革保守」を掲げた希望の党こそ自分の考え方に近いという立場を表明しています。
私は従来から、多様性を重視する穏健な「リベラル保守」の結集を主張してきました。新党が掲げる「寛容な保守」は、この私の考えに近いものだと理解しています。また、保守二大政党制に向けた第一歩とも考えています。(「変わる政党、変わらぬ思い」2017年10月03日ブログ)
希望の党は思想・理念の近い仲間が集まっている。だから、民主党・民進党時代よりも意思決定がスムーズで、バラバラという批判を受けることがない。万年野党をやるつもりはない。希望の党こそ、現実的に政権政党の核になれる集団だ。そう訴えました。(「今回、たまき雄一郎に投票しようか迷っている皆さんへ ~いま、たまきからお伝えしたいこと~」2017年10月21日ブログ)
しかし、希望の党の結成は失敗に終わります。玉木さんは新党として国民民主党を立ち上げた際、チャレンジの失敗を認め、「反省」と「お詫び」を述べました。そして、改めて「改革中道政党」というポジションを明示し、現在に至っています。
玉木さんのヴィジョン・政策の具体的な内容に踏み込んでいきたいと思います。まずは、リスクの問題について。彼は「リスクの個人化」タイプなのか、「リスクの社会化」タイプなのか。
玉木さんは、衆議院議員に当選する前の浪人中に、「小さな政府、大きな公共性」というスローガンを唱えています。基本的に行政はスリム化して、無駄を減らしていく。再配分についても、何でも行政が行うのではなく、市民社会の領域(ボランティアやNPO活動、寄付活動)が担っていけばいい。
私は、納税者が、こうした民間団体に寄付した方が、もっと世のため人のためになると思った場合には、その寄付した額を100% 税金から差し引くべきだと思います。つまり、寄付した分は税金を払わなくて済むよう、寄付金控除制度を徹底して拡充すべきです。(『「税金=¥0(ゼロ円)」という選択』2007年6月16日ブログ)
これは新自由主義的な要素を含む考え方で、行政サービスのアウトソーシングという側面があります。小泉構造改革に批判的な思いから政治家を目指したと言うのですが、一方で新自由主義へのシンパシーが顔をのぞかせる部分があります。
この姿勢は、議員定数の削減という主張にも反映されています。近年はあまり強調していませんが、玉木さんは浪人中から民主党政権時代にかけて、非常に熱心な議員定数削減論者でした。
2007年段階では衆議院議員の数を「現行の480人から240人に半減すべきだと考えている」と言っています。(「私の考える改革の本丸 議員定数削減」2007年10月1日ブログ)。また、野田内閣で「社会保障と税の一体改革」が議論され、消費増税についての合意が進むと、「単に負担を求めるだけでは国民の納得は得られない」として、「身を削る」改革としての議員定数削減を強く主張しました。
しかし、この議論はなかなか進展しません。安倍政権では消費税増税ばかりが前に進み、定数削減についての大きな展開がないことから、苛立ちを表明しています。(「議員定数削減の約束はどうなった?」2014年11月19日ブログ)
玉木さんが民主党政権時代(1年生議員)に取り組んだものに、事業仕分けがあります。財務省出身の経験を買われ、次第にこの取り組みの中核を担うようになりました。
玉木さんは、浪人時代から無駄な公共事業の削減を訴え、行政改革の必要性を説いていました。天下りは原則として禁止。役所は人材派遣業から手を引き、「現在の再就職規制はやめて、原則、どこにでも行けるようにすればいい」と言います。(「私の考える天下り規制」2007年4月16日ブログ)
官僚は政治家が求める予算から逆算してモデルを作り、都合のいいデータをそろえることが横行していますが、これなども早い時期からきっぱりとやめるべきだと指摘します。「多くの官僚にとって、需要予測をはじめとした将来予想を、数理経済や統計学を駆使して、意図した数字にもっていくことは決して難しいことではない」。しかし、そんなことをやっているから、無駄が横行し、必要なところにお金が回らない。官僚が「鉛筆をなめる」ということをやめない限り、財源問題は解決しない。そう強く主張します。(「「鉛筆をなめる」ということ。」2008年2月14日ブログ)
このような思いが、政治家となって政権に入ったとき、事業仕分けの仕事として実を結びます。玉木さんは事業仕分けを「財務省の官僚が独占してきた予算編成プロセスに、国民が関与するようになった画期的な取り組み」と位置付け、精力的に取り組みました。(「事業仕分けの意義」2009年11月11日ブログ)
しかし、それでも民主党政権は財源問題に苦しみます。マニフェスで公約としたことを履行できず、国民の期待はどんどんと薄れていきました。玉木さんは、事業仕分けと共に、マニフェストの率直な見直しに取り組みますが、それでも一度失った民意は戻ってくることなく、民主党は政権を失いました。
このように民主党政権では、歳費の削減に取り組む姿が目立った玉木さんですが、一方でセーフティネットの充実の重要性も強く訴えています。その論理の最大の特徴は、福祉政策の促進こそが経済対策に直結するというものです。
最大の問題だと私が考えるのは、現在の年金制度をはじめ脆弱な社会保障制度の下では、多くの国民が将来に対する不安を抱えたままです。こうした不安が蔓延する中での経済対策は、お金が世の中に出て行ったとしても、それが家計の貯蓄として止まる率が高くなるため、景気対策としての効果が著しく減じてしまいます。(「経済対策について」2009年4月17日ブログ)
大切なのは、国民に安心感を与えること。いまは多くの国民が老後の生活への不安を感じているため、なけなしのお金を貯蓄にまわし、消費が伸び悩んでいます。だから、将来に対する不安を払しょくすることが消費の活性化に繋がり、景気対策になります。福祉は経済成長を阻害するどころか、むしろ成長を促進します。
予算にはメリハリをつける。無駄な公共工事を減らし、行政の効率化を進める。その一方で、セーフティネットの充実に予算を回し、景気を刺激する。このような方法こそ国民の利益に繋がり、国家の安定的発展に寄与すると説きます。
玉木さんが恐れるのは、貧困の連鎖です。貧困が世代を超えて固定化、再生産されると、子どもたちが希望を持つことができない社会になってしまいます。家庭の事情で子どもたちが満足な教育環境を与えられず、格差が連鎖してしまうようでは、公正は社会とは言えません。そして、貧困の連鎖は、都市-地方間の格差問題にも直結しています。
田舎の子ども達ほど、チャンスから切り離されていく……この事態を避けるために、私は政治家を志したと言っても過言ではない(「親から子へ引き継がれる貧困」2008年5月22日ブログ)
玉木さんは、次第に子どもの貧困や子育て支援に力を入れていきます。少子化対策こそが、重要な福祉政策であると考え、子どもをめぐるセーフティネットの充実を、政策の柱に据えていきます。
安倍政権下では「三世代同居支援事業」が進められました。2015年に一億総活躍国民会議でまとめられたレポートでは、「家族の支え合いにより子育てしやすい環境を整備するため三世代同居・近居の環境を整備する」ことがうたわれ、支援制度が実施されました。
一方で、2016年には「保育園落ちた日本死ね」というブログの書き込みが話題になり、国会でも大きく取り上げられました。この時、玉木さんは次のように言っています。
保育園に入れず、仕事をやめなくてはならないママたちの悲痛な声は、平気で無視するのに、特定の家族感を押し付けるような“的外れ”な「三世代同居支援事業」には、多額の税金を湯水のように使う。こんなことをやっているようでは、少子化問題は永遠に解決しない。(「こんな予算じゃ「保育園落ちた日本死ね」の声は止まらない。」2016年3月3日ブログ)
玉木さんはここから「こども国債」の発行を提案するに至ります。
同年の民進党代表選に際しては、「こども国債」の発行によって、子育て世代の家計負担を軽減し、個人消費の拡大と持続可能な経済成長を促進すべきと訴えました。また、「こども国債」は短期的な効果だけでなく、「人への投資」によって中長期的な潜在成長率の向上に寄与すると言います。「人への投資こそ最大の成長の源泉である」というのが、玉木さんの強い訴えになっていきました。(「「こども国債」の発行で日本経済は蘇る」2016年8月16日ブログ)
子供は生まれてくる家を選べないし、親の所得も選べない。教育機会が奪われている子供がいる。これは個人の責任じゃないでしょう。社会で解決しないとダメ。財源均衡が崩れるからできない、どっかを削って財源を作ってから始めましょうでは遅いと思います(BuzzFeed News 2016年9月10日)
「こども国債」で調達されたお金は、子どもたちのために全額使われます。「子どもたちは負担者になる前に、全員が受益者になります」。これによって子どもの数が増えれば、今度は20年~30年後に立派な納税者になります。こども国債は経済政策でもあり、少子化対策にもなります。(「教育無償化に必要なのは憲法改正ではなく「こども国債」」2017年05月5日ブログ)
一方、同時期に自民党の小泉進次郎さんなどは、社会保険料を上乗せする「こども保険」を提起しました。これに対し、玉木さんは批判的ながらもエールを送っています。
せっかく、将来有望な自民党若手議員が議論しているのですから、堂々と全世代型の増税論議をしてもらいたいものです。あまり技術論に走らず、二回も延長した消費税増税に正面から取り組んでくださいと安倍総裁に申し入れることが、心ある若手の皆さんが、まずやるべきことではないでしょうか。
ただ、こうした給付と負担の議論が熱心に行われていることは立派です。「こども保険」にしても、初めから批判にさらされることを想定して打ち出された政策でしょう。メディアの注目を集めることには成功していますし、こうした議論の分かれる政策をあえて世に問うことのできる自民党の底力を感じます(「こどもの日に「こども保険」について考えてみた」2017年5月5日ブログ)
玉木さんは、2018年に国民民主党の党首になりますが、その際には「こども国債」を財源とする「コドモノミクス」を打ち出しました。子どもへの分配政策こそが、デフレ払拭についても最も重要な政策になると主張しました。(「インタビュー 玉木雄一郎 国民民主党代表 第3子に1000万円を現金給付 「異次元の子育て」でデフレ払拭」『エコノミスト』 2018年10月23日号)
玉木さんの政治家としての重要な活動に、ハンセン病元患者の人たちに対する政策があります。地元・香川には、高松市沖に浮かぶ大島に国立ハンセン病療養所・大島青松園があります。玉木さんは、ここをたびたび訪ね、入所者の声に耳を傾けてきました。
大島青松園では、官用船の船舶職員補充が問題になっていました。これは大島と高松を結ぶ官用船の船員の定員を削減しようとするもので、行政改革の一環と位置付けられていました。しかし、船の存在は、入所者にとっては社会と繋がる重要な命綱です。そもそも誤った離島への隔離政策は国が行ったことであり、「彼らの移動手段については、最後まで国が責任を持って確保するのが筋です」。「消え入りそうなかすかな声に耳を澄まし、声をあげることができない人々の心の痛み汲み取るのが政治の役割のはず」です。(「ハンセン病対策に関する要望について」2011年6月8日ブログ)
また、東日本大震災後には、与党議員として原子力事故の賠償スキームの検討とともに、警戒区域に残されたペット・家畜の保護に力を注ぎました。これ以外にも、一貫して動物保護運動に関わり、自らライフワークと位置付けています。(「動物保護に取り組むわけ」2011年5月19日ブログ)
民主党政権時代に苦しんだ財源問題ですが、基本的に消費税増税には賛成の立場を貫いています。菅内閣が発足し、消費税増税が打ち出されたときも、「消費税増税は、一人一人の政治家が、まさに政治生命をかけて行う大事業だと思います。菅総理のおっしゃったとおりです」と述べ、賛成の立場を示しました。(「消費税について」2010年6月22日ブログ)
ただし、税金の無駄遣いを改め、国民の納得が得られることが前提で、そのために国会議員定数の削減や国家公務員の人件費の2割削減などが必要だと訴えました。
一方、自民党が進めた法人税減税には反対しています。
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