メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

無料

G20でも脚光。どうなるトランプ政権の中国外交

最終目標がはっきりしない「組み換え派」。日本が取り得る選択肢の幅は狭い

三浦瑠麗 国際政治学者・山猫総合研究所代表

拡大AlexLMX/shutterstock.com

「海図なき世界の縮図」のG20サミット

 6月28~29日に大阪市で開かれる主要20カ国・地域(G20)サミットを控え、日本の外交に関する話題が増えています。G20サミットでは貿易問題から環境問題に至るまで様々な問題を話し合うのですが、やはりそのとき世界で一番重要な問題に脚光が当たります。そして、現在、世の中で大きな関心を惹きつけているのが「米中貿易戦争」です。

 中国が含まれず、ロシアも追放された主要7カ国(G7)サミットでは、事実上、アメリカとその同盟国である先進国との綱引き、秩序形成をめぐる議論が主流となります。昨年カナダで開かれたG7サミットでは、カナダのトルドー首相が自らのリーダーシップやトランプ米大統領に対する距離を演出しようとして、結果的に同盟国間の対立は深まりました。

 メルケル首相がトランプ大統領に談判をしている有名な写真は、まるで絵画のように劇的な構図でしたが、かえってG7サミットの権威の失墜を印象付けてしまったとその時、私は感じました。ただ、こうした演出をしていられるのもある意味、同盟国として互いに甘えがあるからだ、ということです。

 これに対し、それに次ぐ主要国の首脳会議であるG20サミットには米中が含まれており、他の参加国もそれぞれ多様な国益を抱えて参加している点が特徴です。米中両大国の関係は、われわれが生きる21世紀前半という時代の基本的な骨格を形成しますが、来るべきG20サミットは、アメリカが主導してきた「単極」の秩序が衰退した後の、「海図なき世界の縮図」ということになるでしょう。


筆者

三浦瑠麗

三浦瑠麗(みうら・るり) 国際政治学者・山猫総合研究所代表

1980年神奈川県茅ケ崎市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。専門は国際政治、比較政治。東京大学政策ビジョン研究センター講師などを経て現職。著書に『シビリアンの戦争―デモクラシーが攻撃的になるとき』(岩波書店)、『「トランプ時代」の新世界秩序』(潮新書)、『あなたに伝えたい政治の話』(文春新書)など。政治外交評論のブログ「山猫日記」を主宰。公式メールマガジン、三浦瑠麗の「自分で考えるための政治の話」をプレジデント社から発行中。共同通信「報道と読者」委員会第8期、9期委員、読売新聞読書委員。近著に『21世紀の戦争と平和 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか』(新潮社)。

三浦瑠麗の記事

もっと見る