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香港の若者たちは何を守ろうとしているのか

世界一政治的な「九十後」世代のアイデンティティ

富柏村 ブロガー

世界一政治的な香港の若者たち

拡大道路占拠が未明に一掃された6月13日、若者らの静かな抗議が続いた香港政府近くのペデストリアンデッキ
 その翌年、香港で大陸からの観光客が粉ミルクなど買い占める状況への反対運動がピークを迎える。2008年に中国で有毒粉ミルクが問題となり、中国政府が大陸民の香港旅行緩和をしていたこともあり、香港の、とくに深圳に近い新界では大陸客の粉ミルクや薬品、生活用品の爆買いが著しく、住民にとって社会問題化していた。人民元は2007年1月に、すでに対香港ドルで為替比率が逆転し元高、香港ドル安となっていて、関税もない香港は買い物天国。その購買力に対して「大陸客は出ていけ!」というキャンペーンが新界のベッドタウン駅前で繰り広げられ、これの中心も「九十後」の若者たち。彼らの行動力と、運動への取り組みの柔軟性は、香港社会で抵抗勢力として一定の実力をつけていた。


 そして2014年の雨傘運動

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筆者

富柏村

富柏村(ふ・はくそん) ブロガー

茨城県水戸市生まれ。1990年より香港在住。香港中文大学大学院修士課程(文化人類学)中退。フリーランスでライターもしていたがネット普及後は2000年からブログで1日もかかさず「 富柏村香港日剩」なる日記を掲載している。香港での日常生活や政治、文化、飲食など取り上げ、関心をもつエリアは中国、台湾やアジアに広く及んでいる。香港、中国に関する記事の翻訳もあり。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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