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香港デモ 中国はなぜ「譲歩」を認めたのか

香港「100万人」デモを無視できなくなった中国共産党。一番得をしたのは誰か?

古谷浩一 朝日新聞論説委員(前中国総局長)

拡大香港の逃亡犯条例改正案に反対するデモ行進で、改正案の撤回と林鄭月娥行政長官の辞任を要求するスローガンを掲げる女性=2019年6月9日、香港

 激しくぶつかり合う治安部隊とマスクの若者たち。香港からの映像を見ると、ゴム弾や催眠弾がほぼ水平に、しかも近距離でデモ参加者の身体を狙って打ち込まれているのが分かる。

 これでは多数のけが人が出るのは避けられない、最悪の場合、「第二の天安門事件」が生じかねないなどといった声も聞こえ始めていた矢先、香港政府は突然、「逃亡犯条例」の改正案審議を延期すると発表した。大きな譲歩である。

 香港トップの行政長官、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏は条例改正反対デモを「暴動」と呼ぶなど、強硬姿勢を目立たせていた。それなのに、ここで譲歩を示すとは……。意外感を感じたのは私だけだったろうか。しかも中国の習近平指導部ともよく相談し、その許しを得たうえでのことのようだ。

 デモはその後も規模を拡大して続いており、これからの展開は見通せない。ただ、常に強硬姿勢で知られる習近平体制が過去最大とも言われる譲歩を認めたのはなぜなのか。香港情勢をめぐり、いったい何が起きているのか。浅薄ではあるが、以下、若干の分析と考察を試みてみたい。

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筆者

古谷浩一

古谷浩一(ふるや・こういち) 朝日新聞論説委員(前中国総局長)

1966年生まれ、神奈川県出身。1990年、朝日新聞社に入社。前橋支局、大阪本社社会部、東京本社経済部などを経て、上海、北京、瀋陽で特派員に。2012年1月から2013年8月まで東京本社国際報道部次長。2013年9月から2018年1月まで中国総局長。2018年4月から国際社説担当の論説委員。 1993年から1994年まで中国・南京大学、1997年から1998年まで韓国・延世大学でそれぞれ留学研修。

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