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拡大2018年9月、イラク北部クルド人自治区内の国内避難民キャンプ。ISによる被害やその後の奪還作戦などで家を追われた人々のうち、いまだ約180万人が避難生活を送っている(写真は筆者撮影)

 薄雲が空を覆い、夏の終わりにしては肌寒い日だった。時折、気まぐれのように降る小雨が静かに車窓をつたう2017年秋、10年ぶりに訪れたドイツで、シリアから逃れた友人を訪ねた。北部ハノーファーから、列車は森を抜け、穏やかな田園風景の中、更に郊外へと走る。降り立った駅前広場の周りには、小ぎれいな商店が軒を連ね、のどかな街並みが広がっていた。行きかう人々の中には、イスラムのヒジャブを被った女性の姿も目立つ。若者たちの会話からも時折、アラビア語が聴こえてくる「お待たせ!バスの乗り換えにまだ慣れなくて」と出迎えてくれた彼は、白髪が目立ち、実年齢よりもずっと年上に見えた。

拡大車窓からの風景。小雨交じりの風景の向こうに、二重の虹がかかった

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筆者

安田菜津紀

安田菜津紀(やすだ・なつき) フォトジャーナリスト

1987年神奈川県生まれ。Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、カンボジアを中心に、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。写真絵本に『それでも、海へ 陸前高田に生きる』(ポプラ社)、著書に『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』(新潮社)。『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

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