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核不拡散条約(NPT)は閣僚主導で推進を

発効50年。来春のレビュー会議の成功は事務レベルではなしえない

登 誠一郎 日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長 元内閣外政審議室長

拡大核不拡散条約の再検討会議に向けた準備委員会=2019年5月10日、米ニューヨークの国連本部
 今日の世界において、核兵器の拡散防止のための最重要な国際条約はNPT(核兵器不拡散条約、通称は核兵器拡散防止条約)である。この条約は1970年に発効し、5年ごとに条約の運用状況を検討するためのレビュー会議(運用検討会議)が開催されている。

 来年はこの条約の発効50年目の節目となるが、今年5月前半に開催された準備会合は、近年の核軍縮の停滞に対する非核兵器国(核兵器不保有国)の不満の増大を背景にして、核兵器国(核兵器保有国)との対立は激化し、来年の運用検討会議に向けた勧告案の採択に合意できなかった。

 またイスラエルの核保有とこれに危機感を覚えるアラブ諸国及びイランの動向などをめぐって、従来からの懸案である中東非大量破壊兵器地帯構想をめぐる問題はあいかわらず大きな火種として残っており、さらに北朝鮮の核開発に関してはNPTはほとんど有効な機能をはたしていない。

 NPTをめぐる環境はこのように極めて厳しいものがあるが、NPT運用検討会議の出席者の中には「過去の多くの準備会合は勧告の採択に失敗しているので、特に今回悲観的になる必要はない」との楽観的な見方も見られる。

 しかし今日NPTが直面する危機は従来にも増して深刻なものであり、来年の運用検討会議の成功のめどは全く立っていない。このような状況の中で、まずNPTの現状を直視して主要な課題を検討し、会議の成功のためには何が必要かを追求したい。

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筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長 元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、JTBコミュニケーション・デザイン顧問。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

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