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イージス・アショア配備予定地の現場へ

6月5日(水) 朝の便で秋田へ。空港で「調査情報」原稿の続きを書いて編集部にメールする。その後、取材クルーとドッキングして秋田市内の取材。ここは与野党の一騎打ちの構図になっている。農業県・秋田のいつもながらの争点(農業と過疎化)に加えて、ここに来て、イージス・アショア(地上配備型ミサイル迎撃システム)の配備が秋田市内の住宅地に近接した場所に決まりそうで、にわかに争点になっていた。その争点としての盛り上がりがどの程度なのか、現場に来て取材しなければわからない。

 地元紙の秋田魁新報が、新屋演習場を選定するにあたっての防衛相の報告書にずさんなデータがあったことをスクープしていて、これが大いに盛り上がっていた。地元紙の面目躍如である。与党議員と野党議員の双方に聞き歩く。IBC(岩手放送)の秋田駐在記者の小田嶋さんが非常にいい人で、実に有能かつ協力的な人物だった。元共同通信におられた方で共通の知人もいた。

イージス・アショアの配備候補地となっている陸上自衛隊の新屋演習場(中央)=2018年7月9日、秋田市新屋町、朝日新聞社ヘリから20180709拡大イージス・アショアの配備候補地となっている新屋演習場(中央)=2018年7月、朝日新聞社ヘリから

 住宅地を取材して回っていたら、配備予定地の近くにあるお寺さん(勝平寺)の高柳俊哉住職が、イージス・アショアの配備に大変怒っておられた。お寺の建物の窓から撮影をさせていただいた。高柳住職と話をしているうちに、このお寺の屋外の仏像が全部海の方角を(つまり大陸側を)向いているとの説明があった。それは戦争中の悲劇を二度と繰り返さないという非戦の誓いのようなものだという。そこに今度は大陸側からのミサイルを想定した軍備を置くとは何ということかと怒っておられた。さらにひとりの僧侶の方がドローンの免許を持っておられて、イージス・アショア配備地がいかに住宅近接地に位置しているかをよく知ることができますと言って、ドローンを飛ばしていただいた。何というラッキー続きだろうか。小田嶋さんらと夕食をともにする。やっぱり現場に来てよかった。

6月6日(木) 朝から新屋勝平地区振興会の会長さんに、現場付近の住宅地を歩いて案内していただく。小学校、中学校、高校と学校が集まっている。丁寧に対応していただいた。

 15時45分発の飛行機で羽田に戻る。雑誌「クレスコ」の原稿。「Journalism」誌の原稿。川崎の殺傷事件と、ひきこもり報道に誘発された形の元農水事務次官の長男殺人をめぐって書く。

6月7日(金) 早起きしてプールに行きがっつりと泳ぐ。このところの運動不足とストレスと食べ過ぎで体が重い。

 その後、区役所に出向いて、印鑑登録と印鑑証明書をもらう手続き。これが結構な時間を要してしまった。おまけに運転免許証をどこかに置き忘れてしまい、身分証明のためのパスポートを自宅まで取りに帰ったのでなおさら時間を要した。雑誌「Journalism」の原稿で、国民投票CM規制について書くつもりだったが、もう少し取材を進めてみる必要があるのと、川崎の殺傷事件のテレビ報道で思うところが多々あったので、テーマを変えることにする。夜、毎日新聞社のMさん。戦後史関連。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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