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年金不安を根本から解消するために

野党政治家3人が年金抜本改革チームを立ち上げた。真面目な議論を紹介していきます!

階猛 衆議院議員

拡大Khongtham/Shutterstock.com

ゴールをどこに置くか

 冒頭、井坂氏が公的年金への不安を解消するための四つの論点を挙げ、これを元に三人で議論を行った。

 第一に、最低保障機能

 いかなる境遇にあっても、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を老後に送れるようにするための公的年金制度を構築する必要がある。

 その際、制度の公平性や分かりやすさを重視すれば「月額〇万円の最低保障年金」という建付けが想定される。

 しかし当然のことながら、それぞれの高齢者ごとに保有財産や家族構成、居住形式(持ち家か賃借か)などが異なる。こうした個別事情にも配慮しつつ、最低保証機能を備えた制度を考える。

 第二に、世代間公平

 現在の公的年金制度は現役世代が支払う保険料を高齢者の年金の原資に充てる、いわば「世代間の仕送り」だ。「賦課方式」と呼ばれるこの制度だと、少子高齢化が進むにつれて「入」が少なく「出」が多くなるため、年金財政が悪化してくる。

 この「入」と「出」の変化に応じ、年金の給付水準を徐々に切り下げていく仕組みが「マクロ経済スライド」だ。これを導入すれば「100年安心年金」になるという触れ込みだったが、出生率が劇的に改善しない限り公的年金は先細り、後の世代になればなるほど損をする仕組みになっている。

 世代間の公平を担保し、現役世代の納得感、安心感を確保するには、自分が支払う年金保険料は自分の年金として返ってくる「積立方式」が理想だ。その実現可能性とともに、世代別会計や擬似積立方式などを検討する。

 第三に、財源

 最低保障機能と世代間公平を兼ね備えた公的年金制度を運営するための財源をどうするか。「給付」と表裏一体をなす「負担」の配分の問題であり、政治的には一番厄介だ。

 各人の負担能力に応じて税や保険料の負担を求めるのが基本だが、負担が重すぎて経済活動に悪影響が及ばないようにすべきだ。

 公正で負担感がなるべく少ない財源調達方法を考える。

 第四に、他の収入源

 以上の論点がクリアされ、公的年金制度への不安を解消することは、老後の「セーフティネット」を整備するということだ。

 人生100年時代となり、一人でも多くの高齢者が「健康で文化的な最低限度の生活」を上回る、「豊かで充実した生活」を送れるようにしたい。

 そのためには公的年金以外の収入も必要だ。今回の報告書は貯蓄や運用で老後の資金を得ることを強調するが、これができるのは一部の高齢者に過ぎない。

 手元に金融資産がなくても高齢者が生きがいを感じながら無理なく収入を得られるよう、多様な仕組みを用意したい。

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筆者

階猛

階猛(しな・たけし) 衆議院議員

衆議院議員(岩手1区)、盛岡一高野球部、東大野球部で投手。勤務先の長銀が経営破たん後、企業内弁護士として活動。2007年補選で初当選、以降小選挙区で5期連続当選。総務大臣政務官、民進党政調会長、国民民主党憲法調査会長などを歴任。

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