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「今だけ、カネだけ、自分だけ」の政治は許さない

「やってる感」はあるが成果に乏しいアベノミクス。国民民主党の新しい経済政策とは

岸本周平 国民民主党衆院議員

「やってる感」だけのキャッチフレーズに踊り

 アベノミクスの三本の矢が行き詰まると、今度は「新三本の矢」が登場しました。一つ目が、希望を生み出す強い経済―2020年にGDP600兆円。二つ目が、夢を紡ぐ子育て支援―出生率1.8。三つ目が、安心につながる社会保障―介護離職ゼロ。

 しかし、これらの3項目は政策でなくて、目標です。GDP600兆円はまったく達成できない数字です。出生率はここ3年下がり続けています。介護離職ゼロは単なるスローガンで、2017年の介護離職者は約9万人と逆に増えている状況です。

 安倍政治の特徴は、このような「やってる感」だけのキャッチフレーズが踊ることです。やれ「一億総活躍」だの、やれ「女性活躍」だの、検証不可能な言葉の羅列ですが、今は誰も言いません。「プレミアムフライデー」にいたっては、覚えている人もいないのではないでしょうか。

MMTの実験場と化している日本

拡大AlexLMX/shutterstock.com
 今、MMT(Modern Monetary Policy)という理論が注目されています。自国通貨建ての国債を発行できる政府は財政規律を守らなくても、インフレになるまで債務を発行し続けてかまわないと言うものです。インフレになりそうになったら、増税など緊縮財政にすればコントロールできると言います。それが正しいかどうかはさておき、今の日本はまさに、MMTの実験場と化しています。

 日本銀行が国債を買い続けています。その結果、国債残高の約半分の476兆円を日銀が保有。この過程で、新規発行額よりも日銀の購入額が上回ることもあり、政府の放漫財政を日銀が支えている、いわゆる財政ファイナンス状態です。マイナス金利政策で国債金利も低く抑えられていますから、利払い費も増えません。ますます財政規律をゆるめることになりました。

 これが可能なのは、家計と企業の預金があるからです。個人は将来不安に備えて、苦しい中でも預金を増やします。企業も内部留保を増やしていますから、そのお金を担保に日銀が国債を購入できるのです。高齢化に伴い家計の預金の増加が止まり、企業が投資を始めれば、日本版MMTは、いずれはかなく消えていくしかありません。

 タダのランチはないのです。その意味では、MMTを唱える学者もインフレが起きるまでと限定しており、いつまでもMMT日本版を続けることができないのは自明の理です。増税もせずに、中央銀行がお札を刷って国の財政がまかなえるのなら、ローマ帝国や大英帝国もやったはずです。

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筆者

岸本周平

岸本周平(きしもと・しゅうへい) 国民民主党衆院議員

1956年7月12日和歌山市生まれ。広瀬小学校、城東中学校、桐蔭高等学校、東京大学法学部卒業。1980年大蔵省入省、プリンストン大学客員講師、経済産業省課長、財務省課長、トヨタ自動車(株)渉外部部長、経済産業大臣政務官、内閣府大臣政務官などを歴任。2009年より和歌山1区で小選挙区4期連続当選

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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