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安倍政権、相手にせず!枝野幸男が目ざす政治とは

未知の変化が起きる時代を切り拓く政治を。「#令和デモクラシー」に込めた思い。

枝野幸男 立憲民主党代表

エダノミクスとアベノミクスの違い

拡大枝野幸男さん=2019年6月28日、議員会館
――パラダイムシフトのトップに「ボトムアップ経済への転換」をあげています。

枝野 私はここ10年ぐらい、特にテーマを与えられなければ、演説ではいつも経済の話をしてきました。ボトムアップ経済は私の持論です。

――エダノミクスですか。

枝野 それは自分からいう話ではない。

――アベノミクスに対し、エダノミクスとして打ち出してもいいと思いますが、アベノミクスとの違いはどこですか。

枝野 発展途上だったかつて日本は、輸出で稼いだお金を、政治が農村にまでうまく分配することに成功した。だけど、先進国になった今、アベノミクスは輸出でお金を稼げるようにアクセルを踏み、その点では成功したが、うまく国内に分配されませんでした。

――企業が稼げば、その恩恵が庶民にまで下りてくるというトリクルダウンは結局、起きなかったですね。

枝野 昭和の終わりごろから、トリクルダウンが起きない構造になっています。発想を変え、ボトムアップの経済にするしかない。

――具体策が「#令和デモクラシー」の第一のビジョン「暮らしからはじまる経済成長」ですね。「最低賃金1300円」の5年以内の実現や、医療・介護・子育てへの支援の拡充を掲げていますが、ポイントはどこにありますか。

枝野 二つあります。まず、需要の多い重要な公的サービスでありながら、賃金が安いために供給が不足している公的サービスに資金をシフトすること。介護・医療・保育分野で賃金引き上げは、その一例です。もう一つは労働法制の強化。希望すれば、正規社員になれる構造に変えないといけない。

 労働については、平成時代に「合成の誤謬」が大規模に起きたと思っています。企業経営者にすれば、いかに安い賃金で、いらなくなったら解雇しやすい労働力で生産するかを考えるのは合理的です。そこで低賃金の非正規労働者をつくり、それを政治が後押ししたら、消費者に購買力がなくなり、企業がいくら安くて良いものを出しても売れなくなった。結局、自分で自分の首を絞めたのです。

 そこからの転換は経営者にはできない。というか、株主への責任を考えると転換してはいけない。日本全体のために、経営者の合理性だけを聞いていたらダメということで、政治が変えないといけないのです。

ライフスタイルの多様化に合わせた政治を

拡大枝野幸男さん=2019年6月28日、議員会館
――パラダイムシフトのふたつ目、「多様性を力にする社会への転換」では女性やLGBTへの差別をなくすことなどがうたわれています。候補者の顔ぶれを見ると、最も立憲民主党らしさを感じるところですが。

枝野 そうですね。ただ、私の問題意識からすると、いまの経済の話、さらに三番目の「参加型政治への転換」の話と一体です。根本にあるのは、ライフスタイルが多様になったことです。

 ほとんどの人の暮らしが右肩上がりだった高度成長期には、社会のあり方はある意味、画一的でした。今は違います。たとえば、高齢者といっても、国民年金か厚生年金かでもらえる年金に天と地の開きがある。資産のあるなし、持ち家かどうか、子供がいるいないで、生活はまったく変わる。また、かつては学校を卒業して就職したら、その会社にずっと勤めたけれど、正規雇用が崩れた今は、働き方も様々です。

 ライフスタイルが多様になったのだから、政治もそれに合わせて、多様性をいかすようにしないと国民をハッピーにはできません。

 さらに、日本がこれから世界のなかで生きていくには、変わった意見がますます大事になります。規格大量生産で新興国にかなわなくなった今、日本に必要なのは新しい価値を生み出すことです。そのためには、現在のマジョリティーとは異なる考えを大事にせざるを得ない。たとえばLGBTQ(性的指向・性自認)にしても、多数ではない人たちが生きやすい社会をつくることで、新しい創造性がうまれてきます。

――一見ニッチに見える多様性というテーマを、大きく掲げたのはどういう理由でしょうか。

枝野 選択的夫婦別姓やLGBTはマイノリティーの話だと僕もかつては思っていました。僕個人、選択的夫婦別姓導入を1993年の最初の選挙からずっと訴えてきましたが、党の政策として高く掲げようとは思わなかった。ところが、レインボーパレード参加者が年々急え、LGBTをカミングアウトして選挙で勝つ例も出てきた。

 たとえば北海道の道議選では、LGBTをカミングアウトし、4人区で勝っている。僕が思う以上に、世の中は変わっている。勇気をもって高く掲げれば、大幅に加速できるのではないかという意識からですね。立憲民主党を立ち上げたことで、こうした問題を取り上げやすくなったのも間違いないですが。

――立憲民主党のコアな支持者向けということですか?

枝野 行き場を失っている無党派の皆さんに対してのメッセージでもあります。選択的夫婦別姓やLGBT、障がいやセクハラ被害、DV対策など反応して投票先を選ぶ人の数は、全体からすると小さいからもしれないけれど、今まで政治がメインには掲げてこなかったテーマを掲げる政党は、先ほど述べたように、ライフスタイルが多様になった今の日本に必要だと思っています。

拡大令和の新しい政治について語る枝野幸男さん=2019年6月28日、議員会館

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筆者

枝野幸男

枝野幸男(えだの・ゆきお) 立憲民主党代表

1964年、栃木県宇都宮市生まれ。東北大学卒。弁護士を経て、1993年日本新党の公募に合格、同年の衆院選に立候補して初当選。新党さきがけ、民主党、民進党を経て、2017年、立憲民主党を結党し代表に。民主党政権では、内閣官房長官(菅直人内閣)、経産相(野田佳彦内閣)などを歴任。埼玉5区。当選9回。

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