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「民主党政権の悪夢」の呪縛を解き放て

野党共通政策を具体的に掲げて与党に迫り、取り込ませる。そのリアリティが勝利の鍵だ

保坂展人 東京都世田谷区長 ジャーナリスト

与党に政策を取り込ませて実現する

 野党であれば、政権批判は当然のことです。

 ただし「100」「0」で政策の正当性を争うような単純化は避けるべきだと思います。与党は長期政権維持のため、「貧困と格差」の問題も含め、政策の微修正を続けているからです。

 「評価するべきところはよしとして、足らざるところを指摘して変更させる」。これが政治のリアリズムです。

 3年前の参議院選挙を前に、私は次のように書きました。

『 野党の「共通政策」で政治は変わる』(ハフポスト・2016年4月16日)
 一般的には野党共闘に「共通政策」を期待しても無駄ではないか、与党が圧倒的多数の国会では、とくに議席の3分の2を与党が抑えている衆議院の解散がなければ参議院で与野党比がかわったところで大きな変化はない、「野党の共通政策が実現する可能性はゼロ」と考えている人が多いのではないでしょうか。
 結論から言えば、野党が「共通政策」で結束した時には、政府・与党の国政運営に多くの影響を与えるのです。その前兆が、「保育園落ちた」の波紋が広がった保育園待機児童問題の展開や、「給付型奨学金」創設への動きです。参議院選挙直前というこの時期に、与党としてはなるべく対立軸を鮮明にさせない「抱きつき」(クリンチ)で争点化をさせまいという意図も見えます。

 これまでに、野党が政策要求することで、世論に火がつく前に、政府・与党がこれを取り込んで実現するということは、何度もありました。

 参議院選挙は政権選択選挙ではありませんが、野党が共通政策を練り合わせた結果、実現していくプロセスが見えてくれば、野党の存在意義は十分に示せるのではないでしょうか。

 もちろん「獲得議席」は重要です。ただ、「与党100」「野党0」という価値軸と、批判勢力は文句を言うだけで何ひとつ実現しないという刷り込みこそ、野党の議席増を抑え込んできたものの正体だと見抜くべきです。

拡大党首討論会で発言する自民党の安倍晋三総裁=2019年7月3日、東京都千代田区

党派を超え一致する工夫

 ここでは一例をあげます。

 参議院選挙が終わると、10月に消費税増税と共に、幼児教育・保育の無償化が実施される予定です。「少子化対策」や「子ども・子育て支援」は政府・与党にとっても重点化している政策のはずです。

 私は、2017年9月の特別区区長会で、国民健康保険料について次のように発言しました。 ・・・ログインして読む
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筆者

保坂展人

保坂展人(ほさか・のぶと) 東京都世田谷区長 ジャーナリスト

宮城県仙台市生まれ。教育問題などを中心にジャーナリストとして活躍し、1996年から2009年まで(2003年から2005年を除く)衆議院議員を3期11年務める。2009年10月から2010年3月まで総務省顧問。2011年4月より世田谷区長(現在3期目)。 著書:「相模原事件とヘイトクライム」(岩波ブックレット)、「脱原発区長はなぜ得票率67%で再選されたのか?」(ロッキング・オン)、「88万人のコミュニティデザイン 希望の地図の描き方」(ほんの木) 近著に「〈暮らしやすさ〉の都市戦略 ポートランドと世田谷をつなぐ」(岩波書店2018年8月)、「子どもの学び大革命」(ほんの木2018年9月)他

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