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白井聡が読む『パルチザン伝説』

戦後日本の「現在」を憎悪し否定した作家・桐山襲

白井聡 京都精華大学人文学部専任講師

拡大三菱重工ビル爆破事件。負傷者を搬送する消防職員と救急隊員=1974年8月30日

「筋を通せ。通さないなら刺し違える覚悟で強制的に通させる」

 連続企業爆破事件とは、1974年8月30日に三菱重工本社(東京丸の内)に爆弾が仕掛けられ爆発、8名が死亡、385名が負傷した事件を皮切りに、翌年5月までの間に企業等を対象として発生した合計9件の爆弾テロ事件を指す。これらを実行したのは「東アジア反日武装戦線」を名乗った、全共闘運動のノンセクト・ラジカルを出自とするグループであり、その主要メンバーは、75年5月19日、一斉逮捕された。ただし、メンバーのうち、桐島聡は現在も全国指名手配逃亡中であり、逮捕された者のうち佐々木規夫、大道寺あや子、浴田由紀子の3名は、日本赤軍の起こしたクアラルンプール事件、ダッカ事件により、超法規的に釈放され、国際指名手配中である。その意味で、この事件はいまだ終結していない。

 連続企業爆破事件は、1995年のオウム真理教による毒ガステロ事件が発生するまで、その犠牲者数において近代日本史上最大のテロ事件であった。にもかかわらず、

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筆者

白井聡

白井聡(しらい・さとし) 京都精華大学人文学部専任講師

1977年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。専攻は政治学・社会思想。著書に『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版)、『未完のレーニン――〈力〉の思想を読む』(講談社選書メチエ)、『「物質」の蜂起をめざして――レーニン、〈力〉の思想』(作品社)『国体論――菊と星条旗』(集英社新書)。共訳書に、スラヴォイ・ジジェク『イラク――ユートピアへの葬送』(河出書房新社)、監訳書にモイシェ・ポストン『時間・労働・支配――マルクス理論の新地平』(筑摩書房)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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