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マクロン仏大統領が復活?EU新人事で満面の笑み

「EU人事の勝利」を背景に2022年の大統領選に狙いを定めたジュピター・マクロン

山口 昌子 在フランス・ジャーナリスト

拡大G20サミットでフランスのマクロン大統領(左)を出迎える安倍晋三首相=2019年6月28日、大阪市

「EUトップ3人は仏語圏」に満面の笑み

 今秋以降の新体制の3役トップ人事を巡ってもめにもめた欧州連合(EU)だったが、7月2日の首脳会議で、欧州委員長、欧州中央銀行(ECB)総裁に女性を起用する人事を決定。フランスのマクロン大統領は会議終了後の記者会見で、「全員フランス語圏」と満面の笑みを浮かべた。

 フランスは、節目ごとのEU首脳人事で「仏流ナショナリスム」を発揮し、国政にも反映させてきた。今回もマクロンは「EU人事の勝利」を背景に、2022年の大統領選に狙いを定めているとの声も出始めた。急降下していた支持率も上昇気味で、大統領就任当時のあだ名「ジュピター(ローマ神話に登場の天地至高の神)」も同時に復活するか。

 トップ3役のうちフランス人は、ECB総裁になったラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事(トップ)の一人だけだ。EU大統領のミシェル・ベルギー首相は確かに仏語圏だが、最も重大でもめた要因でもある欧州委員長はドイツ人のフォンデアライエン国防相だ。

拡大新しい欧州委員長になったドイツのフォンデアライエン国防相=2019年7月4日、ブリュッセル
 フォンデアライエンについて、彼女も「仏語圏?」と顔を見合わせる記者団に対し、マクロン大統領は「彼女の父君は高級官僚で、彼女はブリュッセル生まれ。私は良く存じ上げているが、非常に流暢にフランス語を話す」と強調。つまり、「全員が仏語圏」というわけで、今後のEUの交渉で何かと有利になると示唆した。

 欧州委員長のフォンデアライエンは欧州議会最大勢力の中道右派、EU大統領のミシェルが第3勢力のリベラル派、4人目のトップである外交安全保障上級代表(外相)のボレル・スペイン外相は第2勢力の中道左派なので、「政治的均衡人事」と指摘されている。また、ラガルドとフォンデアライエンの2人が女性。ミッシェルとボレルは男性の「男女均衡人事」、さらに仏独対ベルギー・スペインの「(国家の)大小均衡」の指摘もある。

 マクロン大統領も会見で、これらの「均衡」ぶりを強調したが、とりわけ何度も言及したのが、「トップ3人の仏語圏」だ。

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筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) 在フランス・ジャーナリスト

産経新聞パリ支局長を1990年から2011年までつとめる。著書に『ドゴールのいるフランス』(河出書房新社)、『フランス人の不思議な頭の中』(KADOKAWA)、『原発大国フランスからの警告』(ワニブックスPLUS新書)、『フランス流テロとの戦い方』(ワニブックスPLUS新書)、『ココ・シャネルの真実』(講談社+α新書)、『パリの福澤諭吉』(中央公論新社)など。ボーン・上田記念国際記者賞、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受賞。

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