2019年07月12日
6月25日(火) 午前「報道特集」の定例会議。さっと終わる。きのうの参議院本会議で、三原じゅん子という議員が行ったスピーチを聞いて、何というのかなあ、「恥を知りなさい」とは。議員の資質という点で極点まで墜ちちゃってるなあ。英語で「Shame on you!」と面罵されたら、殴り合いになってもおかしくない。あまりにも醜悪なものをみると、怒りよりも絶望というか哀しみに落ち込むことがしばしばだが、それすら回数を重ねると無感覚になる。
午後3時から如水会館で日本ペンクラブの総会。ここに出るのは初めての経験だ。ペンクラブに入ったきっかけは、故・米原万里さんからのお誘いだった。当時は井上ひさしさんがペンクラブの会長で、気軽な気持ちで会員になったのだが、途轍もない「凡庸」というか、組織であることから来るのであろう宿痾のような問題を目の当たりにして、さまざまなことを考えた。組織と権力。自由と統制。集権と分権。その後の立食パーティーで作家の桐野夏生さんにお会いした。彼女の小説のファンなのだ。パーティーの喧騒に耐えられなくなって、神保町のYへ。
6月26日(水) ストレス解消のために早起きしてプールへ。いつもの半分泳ぐ。毎日新聞のコラム原稿。沖縄慰霊の日のヤジについて書く。8月の広島原爆忌の件で若干調整。15時に衆議院議員会館。7月5日に対談することになっている村上誠一郎さんに挨拶。なぜか三島由紀夫の話になった。
あしたG20の関連で大阪に取材に行くことになった。しかも早朝から。まずは関空で中国の習近平主席の空港到着をリポートするのだという。僕は「猿になりたくなかった猿」の一員だからもちろん行く。正直、今や世界ではG8やG20が劇場(アリーナ)型政治の悪例として無用論が高まっていることなら興味があるが、宣伝係をやらされるのだけは御免だ。ただし、今回の場合、バイ(個別の2国間会議)の方は意味がある。米中首脳会談だ。だがおそらくそういったサミット無用論、格差是認装置を掘る構想力は、こうした取材を何度も経験してきた者でなければわからないのではないか。
6月27日(木) 朝5時に家を出て局に寄って羽田へ。眠い、眠い。午前8時半前には関空に到着。関西空港は異様な厳戒態勢がとられていた。常軌を逸しているような警備だ。全国から3万2000人の警察官を動員した空前の厳戒態勢だとか。「猿になりたくなかった猿」として、警備のリポート。驚いたのはターミナルビルに入る通路のところで、スーツケースをあけさせて警察官が手荷物検査をしていたことだ。何の権限があってそんなことを警察官がするのだろう。
その後、習近平主席近影を撮るための、長い、長い道のりが始まった。午前9時15分すぎに指定のホテル日航大阪の一室に集合。各国のメディアも来ている。午前10時15分に報道陣を乗せたバスが空港内の待機場所に向けて出発。雨が激しく降っている。雨合羽をKディレクターが購入してきてくれた。助かった。これがないと仕事にならない。
このあと傘を現場に持っていかなかったことが相当に響いた。各国からの賓客を乗せた航空機が降り立つ付近に、報道陣用の撮影場所(屋根付きのトラックの荷台程度の代物)が設置されていた。そこまでは歩いていく。時間が来るまではプレハブの待機小屋に入れられる。みると香港からの報道陣が結構たくさん来ている。そこで、撮影スペースの場所のくじ引き。VEさんが引いたくじは何と16番。結局、屋根付きの撮影場所のスペースからははじき出されて、その前の屋外スペースで撮影を余儀なくされた。つまりもろに雨の中で立ち尽くしているしかない。習近平主席の直前にはエルドアン・トルコ大統領が専用機で到着していた。大変な数の出迎えの要員が来ている。その後待つこと30分近く。その間、全部で1時間以上、雨に叩きつけられながら屋外にいた。何だか滝に打たれる修行をしているような気持ちになってきた。そして本当に体が徐々に冷えてきたのだった。
午後12時50分すぎにエア・チャイナの特別機が近づいてきた。雨が一層激しくなる。屋根付きのタラップが特別に用意されて、さらには赤絨毯が運ばれてきた。エルドアン大統領の時は、タラップに屋根はなかったし、赤絨毯もなかった。だいたい、この烈しい雨の中、絨毯なんかほとんど意味をなしていなかった。このバカバカしさの真只中で犬死にしないために、何とかリポートを試みた。
さいわい僕のいる場所から20メートルくらい先を習近平主席がタラップを降り、車に乗り込む場面を視認することができたが。Nカメラマンも何とかその姿を撮ることができた。全部で4時間半を費やした習近平撮影ツアーは終わった。まいった。
その後、大阪市内の警備を撮影しながら、G20会場のインテックス大阪へ。大阪の西側にある人工島につくられた巨大な建築物群のひとつだ。そこに至るまでのアクセスで、またとんでもない
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