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G20現地リポート、もやもやした気持ちを抱えながら

G20開催の影響で保安検査が強化された旅客ターミナル入り口=2019年6月27日午前8時53分、関西空港20190627拡大G20で保安検査が強化された旅客ターミナル入り口=2019年6月27日、関西空港

6月27日(木) 朝5時に家を出て局に寄って羽田へ。眠い、眠い。午前8時半前には関空に到着。関西空港は異様な厳戒態勢がとられていた。常軌を逸しているような警備だ。全国から3万2000人の警察官を動員した空前の厳戒態勢だとか。「猿になりたくなかった猿」として、警備のリポート。驚いたのはターミナルビルに入る通路のところで、スーツケースをあけさせて警察官が手荷物検査をしていたことだ。何の権限があってそんなことを警察官がするのだろう。

 その後、習近平主席近影を撮るための、長い、長い道のりが始まった。午前9時15分すぎに指定のホテル日航大阪の一室に集合。各国のメディアも来ている。午前10時15分に報道陣を乗せたバスが空港内の待機場所に向けて出発。雨が激しく降っている。雨合羽をKディレクターが購入してきてくれた。助かった。これがないと仕事にならない。

 このあと傘を現場に持っていかなかったことが相当に響いた。各国からの賓客を乗せた航空機が降り立つ付近に、報道陣用の撮影場所(屋根付きのトラックの荷台程度の代物)が設置されていた。そこまでは歩いていく。時間が来るまではプレハブの待機小屋に入れられる。みると香港からの報道陣が結構たくさん来ている。そこで、撮影スペースの場所のくじ引き。VEさんが引いたくじは何と16番。結局、屋根付きの撮影場所のスペースからははじき出されて、その前の屋外スペースで撮影を余儀なくされた。つまりもろに雨の中で立ち尽くしているしかない。習近平主席の直前にはエルドアン・トルコ大統領が専用機で到着していた。大変な数の出迎えの要員が来ている。その後待つこと30分近く。その間、全部で1時間以上、雨に叩きつけられながら屋外にいた。何だか滝に打たれる修行をしているような気持ちになってきた。そして本当に体が徐々に冷えてきたのだった。

 午後12時50分すぎにエア・チャイナの特別機が近づいてきた。雨が一層激しくなる。屋根付きのタラップが特別に用意されて、さらには赤絨毯が運ばれてきた。エルドアン大統領の時は、タラップに屋根はなかったし、赤絨毯もなかった。だいたい、この烈しい雨の中、絨毯なんかほとんど意味をなしていなかった。このバカバカしさの真只中で犬死にしないために、何とかリポートを試みた。

 さいわい僕のいる場所から20メートルくらい先を習近平主席がタラップを降り、車に乗り込む場面を視認することができたが。Nカメラマンも何とかその姿を撮ることができた。全部で4時間半を費やした習近平撮影ツアーは終わった。まいった。

G20に出席するため来日した中国の習近平国家主席=2019年6月27日午後1時24分、大阪府の関西空港20190627拡大G20に出席するため来日した中国の習近平国家主席=2019年6月27日、関西空港

 その後、大阪市内の警備を撮影しながら、G20会場のインテックス大阪へ。大阪の西側にある人工島につくられた巨大な建築物群のひとつだ。そこに至るまでのアクセスで、またとんでもない ・・・ログインして読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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