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亥年選挙の年に大阪で思う(前編)

友人が大阪市議選に立候補し、私は生まれて初めて選挙運動にかかわった

岩城あすか 箕面市立多文化交流センター 館長

そんな中、ついに仲間が立ち上がる!

 世間の動きと地域の現実とのギャップにもやもやする中、友人が大阪市議選に立候補するというので、生まれて初めて選挙運動にかかわった。

 彼女は重度の身体障碍者だけで舞台表現をおこなう劇団「態変」が発行する情報誌「イマージュ」の編集仲間。31歳という若さでありながら、「態変」の主宰者である金満里さん(40年以上も家族以外の介助者を昼夜二交代制でつけながら自立生活を続けている)の介護のキー(調整責任者)をつとめたり、2015年5月の大阪都構想をめぐる住民投票の際には仲間とともに積極的に市民運動を展開して50.38%という僅差で構想を止めることに貢献したりした経験を持つ。

 「どんどん地盤沈下が進む大阪の状況を少しでも変え、政治をもっと市民の生活に近づけたい」。子育てしながら、職場を辞めての挑戦だった。

 半端ない気骨の持ち主である彼女の決意を聞いて、世代や性別、国籍、障碍の有無を問わず、100名近い仲間が自発的に集まった。何人かの女性立候補予定者を集めて「大阪の女性たちが政治を変える」というタイトルでトークイベントを開催したり、大阪の教育や子育て、女性の自立などをテーマに「おしゃべり会」や「まなぼう会」を次々と企画したり。所属政党や自治労の協力も得ながら、地域の支持者や友人たちが試行錯誤して独自の手作り運動を展開した。

拡大2019年2月10日、料理研究家の枝元なほみさんとの対談企画より。人間の心と体の健康のカギを握るのは「腸内細菌」であり、これらは20%が善玉菌、20%が悪玉菌だという。その他の60%は「日和見主義」の菌で、善玉か悪玉かのどちらかが5%増えると、残り55%の菌たちは、その5%増えた方に一気に加勢するそう。まるで人間の社会を見ているようだが、私たちも「5%」を味方につけられるかが勝負だと肝に銘じた。

女性候補者ゆえの苦労

拡大沖縄3区に張り出されたビラ(琉球新報より)
 2019年4月の衆議院補選の期間中、沖縄3区の沖縄市やうるま市などで「女は政治は無理 女は台所へ帰れ」というビラが電柱などに大量に張り出される事案が発生した(琉球新報記事)。

 ジェンダーギャップ(男女間の格差)の大きさを国別に順位づけした世界経済フォーラムの2018年の報告書では、日本は149カ国中110位。こんな社会で、女性が立候補することは、想像を絶するしんどさがある。

 「家事はどうやってるの?」「子どもやご主人がかわいそう」と疑問を投げかけられるのは日常茶飯事、いきなり説教モードで絡んでくる、やっかいなひと(年配の男性であることが多い)にも遭遇する。これを「票ハラ(=票ハラスメント)」というそうだ。

 候補者やその支援者たちが、最も反論しづらい時期だとわかってハラスメントしてくる人たちが(ごくわずかだが)いる。不満をぶつけられても、ぐっとこらえるしかない状況は本当に不条理だ。

 AERAの特集(2019年2月11号)によると、せっかく当選しても、女性議員の35%が2期目の出馬を断念するという。

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 「女性議員に対して(男性が、女性を見下して何かを説明する)マンスプレイニング的な行為や、かわいがる一方で気に食わないことがあると抑えつけようとする背景には、『政治領域は男のもの』と思っている男性が多いことがあります。自分のスペースを侵害されることへの反動でハラスメントという手段を使って排除しようとします。中でもセクシュアルハラスメントは、女性議員を単に性的な存在として扱い、大きなダメージを与えます」
 「有権者や支援者による女性議員への卑劣なハラスメントは“身内”内で起きるため顕在化しにくく、解決も大変です。特に、地方議員は有権者との距離も近く、秘書などもいないため、すべて自分で対応することが多く、被害が深刻です。女性議員のなり手はまだ多くないのに、せっかく志を持って議員になった人が続かない現実は、女性の政治参画を阻害する。民主主義の観点からも問題です」(AERA2019年2月11日号より)

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筆者

岩城あすか

岩城あすか(いわき・あすか) 箕面市立多文化交流センター 館長

大阪外国語大学でトルコ語を学んだ後、トルコ共和国イスタンブール大学(院)で学ぶため、1997年~2001年イスタンブールで過ごす。通訳やマスコミのコーディネーターをしながら、1999年におきた「トルコ北西部地震」の復興支援事業にもボランティアとして関わる。現在は(公財)箕面市国際交流協会で地域の国際化を促す様々な事業に取り組むほか、重度の障碍者のみで構成される劇団「態変」の発行する情報誌「イマージュ」の編集にも携わっている。

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