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拡大APECビジネス諮問委員会(ABAC)に臨む安倍首相。右は韓国の文在寅大統領=2018年11月17日、ポートモレスビー

3.本件で「徴用工問題」が前進する場合は、ブーメラン現象が怖い

 私が勝手に忖度するに、日本政府は、今回の輸出管理強化措置により、韓国がその経済的打撃に耐えかねて、「徴用工問題」に関して妥協的姿勢を示し、二国間協議や第三者による仲裁に応じてくることを想定しているのではないかと思う。

 私は輸出管理にも韓国経済にも素人なので、韓国側の受ける経済的打撃の度合いやそれに応じた韓国国内の世論についての予測はできない。しかし、容易に想像できることは、ポピュリズムが支配する現在の韓国政権が、輸出管理の議論の結果を受けて「徴用工問題」で譲歩することは通常はあり得ないことである。

 万が一韓国がその問題で譲歩せざるを得ないほど輸出管理強化の効果が出ることがあれば、それは韓国の国内経済だけではなく、半導体などの重要分野のサプライチェーンを含む世界経済に多大な混乱と障害を生じるような場合に限られると判断される。

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筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長 元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、JTBコミュニケーション・デザイン顧問。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

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