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安倍総理!皇位継承の議論をすぐ始めましょう・上

男系維持を貫徹して皇位継承問題を解決する方法は今や万策つきている

山尾志桜里 衆院議員

皇位継承の「論点整理」を発表

 平成から令和へと時代が移った6月11日、立憲民主党は「象徴天皇制の未来のために~安定的な皇位継承を確保するための論点整理~」発表した。

 昨年夏、海江田万里議員に「安定的な皇位継承を考える会」の会長を引き受けていただいてから1年弱、事務局長としてこの論点整理を取りまとめる貴重な機会を得た。平成30(2018)年7月20日から令和元(2019)年6月10日まで21回の会合を開き、外部講師を招いて知見を広めたり、議論を交わしたりして、とりまとめにこぎつけた。

 最初に断っておくが、私は立憲民主党が立派だという文脈で本稿を書いていない。憲法第1章の顔であり、この国の統治機構の根本にかかわる「天皇」制を扱う会合にもかかわらず、党内の参加者は少なかった。この論点整理の趣旨が十分浸透していないことに、事務局長として至らなさも痛感している。

 ただ、「全国民統合の象徴」である「天皇」制の課題を、「全国民の代表」である立法府が解決にあたるため、立法府の主たる活動単位である政党が、付け焼き刃ではない一定のクオリティーの「論点整理」を国民に示せたことには重要な意義があると考えている。

 そこで本稿では、「論点整理」には盛り込めなかった視点を含め、とりまとめに至った思考の道筋をあらためて整理してみたい。皇位継承について、国民が理解を深める一助になれば幸いである。

偶然ではなく必然の「極限状態」

拡大お茶の水女子大学付属中学校の入学式に臨む秋篠宮ご夫妻と悠仁さま=2019年4月8日、東京都文京区
 新たな天皇陛下の即位した現在、皇太子は不在となり、皇嗣となられた秋篠宮殿下の次の世代の継承資格者は悠仁親王殿下お一人となった。そして、お一人に皇室の存続のすべてがかかっているという「極限状態」は、決して偶然ではなく必然である。

 その理由は、現在、皇位継承の資格要件が、歴史上最も厳格に定められているからに他ならない。

 考えてみてほしい。男系男子で永遠に皇位をつなぐことを目指すなら、適否はともかく非嫡出子という制度を許容せざるをえない。一方、現代においては、非嫡出子による皇位継承が不適切と見なすなら、男系男子の要件を広げるしかない。

 ところが皇位継承の資格要件は今、「男系男子」かつ「嫡出子」とされている。これだと、必然的に先細る制度としか言いようがない。そうした制度を放置した結果が現状なのである。

「男系男子」を見直すしかないワケ

 皇位継承の先細りの原因が資格要件の厳格さにある以上、要件を見直す必要があるのは明らかだ。「男系男子」以外の3要件、すなわち「嫡出であること」「皇統に属すること」および「皇族の身分を有すること」については、これを見直す議論は見当たらず、少なくとも現代における選択肢にはならないだろう。とすれば、「男系男子」という要件を見直すしかない。

 今回、論点整理をするにあたり、皇位継承に関する国会議論をひもといて驚いた。日本国憲法公布前、昭和21(1946)年9月10日時点の国会で、すでにこの論点は提示されていて、答弁に立った金森徳次郎大臣は次のように答えている。

 「男系の男子ということは(憲法)第2条には限定してありませぬ。その趣旨は根本において異なるものありとは考えませぬけれども、しかし時代時代の研究に応じて部分的に異なり得る場面があってもいいと申しますか、そういう余地があり得る」(貴族院帝国憲法改正案特別委員会)。

 金森大臣は、同年12月5日「男系によるということが何故に正しきや否やということの論議は、相当にむずかしい」(衆議院)とも述べており、男系継承貫徹論を論理的に裏付けることの難しさをにじませつつ、将来これが変わりうる余地を明快に残している。そのうえで現代にいたるまで、政府は繰り返し、皇位継承者を男系男子に限ることは憲法上の要請ではないと、国会答弁で明言し続けているのだ。

 要は、女性・女系への皇位資格拡大は、憲法が時代時代の立法政策に意識的に委ねた事柄なのである。皇太子不在かつ次世代継承者お一人という時代を迎えた今、真摯(しんし)に検討する必要があるだろう。もはや先送りにする時間は残されていない。

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筆者

山尾志桜里

山尾志桜里(やまお・しおり) 衆院議員

宮城県仙台市生まれ。小6、中1の多感な時期に初代「アニー」を演じる。東京大学法学部卒。司法試験に合格し、検察官として、東京地検、千葉地検、名古屋地検岡崎支部に着任。民主党の候補者公募に合格し、愛知7区から国政に挑戦、2009年に衆議院議員総選挙に初当選。14年に2期目当選。16年3月の民進党結党に際して政務調査会長に就任(~9月)。17年9月に民進党を離党し、同10月に無所属で3期目当選。現在、国民民主党に所属。著書に『立憲的改憲――憲法をリベラルに考える7つの対論』。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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