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改正ドローン規制法で沖縄は規制だらけになる恐れ

米軍基地の7割が集中し、さらに辺野古新基地建設……真実への険しい道のり。

松元剛 琉球新報社執行役員・編集局長

在沖海兵隊の報道対応は迅速さ・誠実さが失われてしまった

 あれから20年以上が過ぎたが、普天間飛行場の返還・移設問題を機に、在沖海兵隊の沖縄への駐留根拠を厳しく問う議論が深まる中、在沖海兵隊の沖縄県内のメディアへの報道対応は迅速さ、誠実さが失われて久しい。基本的な事実確認にも時間を要したり、なしのつぶてだったりということも増えている。

 普天間飛行場に所属するMV22オスプレイが2016年12月22日深夜、名護市安部の海岸に突っ込み、大破した事故で、海兵隊や防衛省は「着水」「不時着」と発表した。琉球新報は翌日朝刊の第一報から「墜落」と報じた。AP通信や米軍準機関紙「星条旗」、海兵隊の専門誌も「墜落」と報じたが、日本の大手メディアは今も「不時着事故」で通している。

 しばしば起きているオスプレイの墜落など、重大な機体トラブルを巡り、米軍は「墜落」表記をできるだけ避け、「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」を用いることが多い。米軍ならではの、矮小化用語とみなすしかない。

沖縄の未来①拡大大破したオスプレイの機体付近を調べる米軍関係者ら=2016年12月15日、沖縄県名護市安部、長沢幹城撮影

ドローン規制法が隠す新基地の実態

 小型無人機(ドローン)の飛行禁止区域に自衛隊や在日米軍施設・区域上空を追加した改正ドローン規制法が、6月13日に施行された。在日米軍基地の7割が集中する沖縄は、規制区域だらけになる恐れがある。

 普天間飛行場の移設を伴う名護市辺野古の新基地建設工事現場は、日本政府の恣意的な立ち入り禁止海域の指定がなされ、監視行動を取る市民が力ずくで排除される根拠にされている。海上からは立ち入れない埋め立て工事現場で、報道機関や市民団体「沖縄ドローンプロジェクト」が、ドローンを有効活用し、工事によって生じた濁り水の汚濁防止膜外への流出など、沖縄防衛局の環境保全措置の不備を明るみに出してきた。だが、ドローン規制法改悪に伴い、日米にとって不都合な事実を覆い隠す動きが加速している。 ・・・ログインして読む
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筆者

松元剛

松元剛(まつもと・つよし) 琉球新報社執行役員・編集局長

 

1965年那覇市生まれ。駒澤大学法学部卒。89年琉球新報社入社。社会部警察・司法担当、中部支社報道部、2度の政経部基地担当、編集委員、経済部副部長などを経て、2010年4月から政治部長兼論説委員。13年4月から編集局次長兼報道本部長、16年6月から論説副委員長を兼務。17年4月に読者事業局次長、18年6月から執行役員・読者事業局特任局長。19年4月から現職。

 

共著に『徹底検証 安倍政治』(岩波書店)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店 新書oneテーマ21)、『検証 地位協定 ―日米不平等の源流』(琉球新報社編、高文研)、『〈沖縄〉基地問題を知る事典』(吉川弘文館)、『ルポ・軍事基地と闘う住民たち』(琉球新報社編、NHK出版)、『観光コースでない沖縄(第4版)』、高文研)、『沖縄 自立への道を求めて』(高文研)など。

 

雑誌『世界』(岩波書店)で、2008年4月から輪番コラム「沖縄(しま)という窓」を連載中。

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