メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

「世界最悪の人道危機」イエメン内戦の歴史的背景

川上泰徳 中東ジャーナリスト

国連のグテーレス事務総長(中央)を間に挟み、握手をするハディ暫定政権のヤマニ外相(左)とフーシ側代表のアブドルサラム氏=AP拡大2018年12月、国連のグテーレス事務総長(中央)を間に挟み、ハディ暫定政権のヤマニ外相(左)とフーシ側代表のアブドルサラム氏が停戦合意で握手を交わしたのだが……=AP

フーシはサウジ国内への攻撃激化

 一方のフーシはイランの支援を受け、2017年11月からサウジの首都リヤド郊外の空港などを狙って弾道ミサイル攻撃を始めた。今年の8月1日には、サウジ東部のペルシャ湾に面する都市ダンマンに対して新型の長距離射程の弾道ミサイル攻撃を行った。ミサイルはイランから提供されているとみられる。フーシは今回のアデンでの有志連合内の対立に乗じるかのように、17日にはサウジ東部のUAE国境の近くにあるシャイバ油田の施設に対して爆弾を積んだ10機の無人飛行機で攻撃した。

 フーシ指導者のアブドルマリク・フーシ氏は同派のマシーラネットを通じて、1時間に及ぶ演説をし、その中で「サウジが率いる有志連合の5年目となる侵略が始まって以来、サウジ国内への最大の軍事作戦を実施した」と発表した。

 作戦については「1100キロ離れたUAE国境に近いサウジの石油関連施設を10機の無人飛行機で攻撃した。イエメンを攻撃し、破壊をもたらした有志連合の侵略に対する最大の反撃であり、原油に依存している両国に対する重要な警告である」としている。サウジのエネルギー・産業・鉱物資源省は攻撃があったことを確認し、ガスプラントで限定的な火災があったことを認めた。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

川上泰徳

川上泰徳(かわかみ・やすのり) 中東ジャーナリスト

長崎県生まれ。1981年、朝日新聞入社。学芸部を経て、エルサレム支局長、中東アフリカ総局長、編集委員、論説委員、機動特派員などを歴任。2014年秋、2度目の中東アフリカ総局長を終え、2015年1月に退職し、フリーのジャーナリストに。元Asahi中東マガジン編集人。2002年、中東報道でボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『シャティーラの記憶――パレスチナ難民キャンプの70年』(岩波書店)、『イラク零年――朝日新聞特派員の報告』(朝日新聞社)、『現地発 エジプト革命――中東民主化のゆくえ』(岩波ブックレット)、『イスラムを生きる人びと――伝統と「革命」のあいだで』(岩波書店)、『中東の現場を歩く――激動20年の取材のディテール』(合同出版)、『「イスラム国」はテロの元凶ではない――グローバル・ジハードという幻想』(集英社新書)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

川上泰徳の記事

もっと見る