メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

「基地引き取り論」とは何か

鹿野政直氏・新城郁夫氏の批判に応答する

高橋哲哉 哲学者


拡大米兵による集団強姦致傷事件が起こり、すべての在日米軍人に夜間外出禁止令が出された。禁止時間の午後11時、嘉手納基地周辺の歓楽街をパトロールする米憲兵たち=2012年10月19日、沖縄市

なぜ沖縄がリスクにさらされ続けなければならないのか

 鹿野氏は、「レイプ、暴力がついて回るという問題もあるから」引き取りはできないと言う。「レイプ、暴力がついて回るという問題」は基地がどこにあろうと同じだという前提に立つなら、鹿野氏は本土移設のみならず、「国外移設」にも、沖縄の米軍をどこに移すことにも反対せざるをえないだろう。

 実際、新城氏はこう述べている。「差別を解消するために沖縄から米軍を日本本土に『移設する』、あるいは、アメリカ本土に返すというような形での解決が図られるのだという発想が怖いのは、たとえば、その移った先の地域で起きるレイプといった問題は全く考えられていないということなんです」。

 鹿野氏は、レイプという問題がついて回るから本土移設には反対だと言い、新城氏は同じ理由で、米軍をアメリカ本土に返すことにも反対だと言う。その結果、どうなる ・・・ログインして読む
(残り:約3215文字/本文:約5616文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

高橋哲哉

高橋哲哉(たかはし・てつや) 哲学者

1956年福島県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。東京大学大学院総合文化研究科教授。主な著書に『記憶のエチカ』(岩波書店)、『戦後責任論』(講談社)、『犠牲のシステム 福島・沖縄』(集英社)などがある。