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8月20日(火) 午前中、「報道特集」の定例会議。今週は横浜のカジノ(統合型リゾート・IR)誘致を取材することになったので、長年にわたって横浜を取材している知己に横浜市政の現況を聞いてみた。要するに、2年前の横浜市長選挙の時の林文子市長のカジノ誘致「白紙化」は、争点外しのための露骨な選挙対策に過ぎず、彼女は官邸=菅官房長官の「いいなり」で、カジノ誘致にはもともと積極派だったのだという。市長選で選挙カーの前に、三原じゅん子(自民)、牧山弘恵(立憲民主)、林候補、佐々木さやか(公明)の4人の女性が勢ぞろいした光景が全てを語っているとその時の4ショット写真を送ってきてくれた。神奈川県の黒岩知事もカジノに前向きだし「救いがない」という。市議会議員も与党多数で、立憲はこの問題では本当にダメだと。半ばあきらめ気味に語っていた。

 18時半からワシントンDC在住のIさんと打ち合わせ。アメリカの大統領選挙は、このままではトランプの再選が確実という。理由は民主党があまりにも不甲斐ない状態であり続けているからだと。いつもながらの慧眼。

8月21日(水) 朝、早起きしてプールへ。このところ運動不足で体がなまっている。

田島道治が昭和天皇とのやりとりを記した「拝謁(はいえつ)記」など。何冊ものノートや手帳にびっしりと書き込まれている=2019年8月19日午前、東京都渋谷区のNHK放送センター拡大田島道治宮内庁長官が昭和天皇とのやりとりを記した「拝謁記」
 見逃していたNHKスペシャル『昭和天皇は何を語ったのか~初公開・秘録「拝謁記」~』をみる。田島道治初代宮内庁長官の昭和天皇拝謁の際の会話記録である。まいったなあ。丁寧に掘ればいくらでも番組が作れるほどエピソードに溢れている予感もするが、やはり中心的な論点は、天皇の戦争責任なのだろう。その点でいえば、昭和天皇は「道義的な責任」を自身で感じてはいたらしいが(別の史料では、マッカーサーに対して、直接、間接的に、命乞いをしていた可能性もある)、本質的な意味での「戦争責任」については驚くほど無自覚だった姿が浮き彫りになっている。どこか「他人事」のような感覚が戦後になっても残っていたようだ。

 この番組で僕が注目したのは、マッカーサー記念館に保管されていた田島からマッカーサーにあてた1948年11月の書簡だ。「日本の国家再建のために最善を尽くす所存です」。番組ではほんの短くしか紹介されていなかったが、これは明らかに昭和天皇からマッカーサーへの意思表示である。つまり「退位はない」という意思だ。資料入手にはNHKの社会部ががんばったという話を聞いた。政治部につぶされないように、秘密裏に作業を進めていたらしい。解読解説に一橋大学・吉田裕名誉教授を配したあたりに、番組担当者のギリギリの抵抗のようなものを感じたが、どうなのだろう。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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