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「安倍新体制」に盛り上がりなし

“人気者”の小泉進次郎氏の初入閣も弾みにならず。はずされた石破氏はどうする?

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

石破氏がおかした「政治的失敗」

 今回の人事には、安倍首相による「石破(茂)はずし」が露骨に透けてみえる。そのうえで、将来の首相候補と目される議員のほとんどを入閣させ、首相への忠誠を競わせている。

拡大石破派(水月会)の会合であいさつする自民党の石破茂・元幹事長=2019年9月1日、神奈川県小田原市
 石破氏は、前々回の自民党総裁選での出馬見送りが、今なお響いているのだろう。かつての小泉純一郎氏のように、立候補を続けていれば、現在のような「はぐれガラス」にはならなかったのではないかと思えてならない。明らかな「政治的失敗」である。

 2001年に小泉氏が首相に就任した直後、私にこう言ったことがある。

 「この総裁選(2001年)に立候補しなければ、郵政民営化を諦めたとみられる。だから、泡沫(ほうまつ)と言われてもいいからと立候補した」

 この総裁選は小泉氏にとって3度目の挑戦であった。当落にかかわらず、政治家として筋を通した小泉氏の行動を、世論はかつてなく支援し、事前の予想を覆す驚異の逆転劇が生まれた。

 石破氏の過去の「政治的失敗」は取り返すのが難しい。だが、これからは自分よりも若い議員を応援し、“安倍政治”に対抗する流れをつくってほしい。そこに自らの政治的使命を見いだしてほしい。そう願っている。

進次郎氏には願ってもない環境大臣

 メディアは、総裁候補とされる菅、河野太郎、茂木敏充、加藤勝信の各氏、ならびに小泉進次郎氏の入閣に注目している。彼らに、党三役の政調会長に留任した岸田文雄政調会長を加えた6人のうち、岸田、菅氏はもとより、河野、茂木、加藤氏もまた、次期総裁候補として認知されたと言ってもいい。

拡大記者会見する小泉進次郎環境相=2019年9月11日、首相官邸
 では、小泉進次郎氏はどうだろう。冒頭で述べたように、環境大臣就任でも盛り上がりが意外に少ないのは、彼の場合、入閣というよりも、一気に総裁選に出馬することを期待している人が少なくないからかもしれない。

 現在の進次郎氏にとっては、環境大臣は願ってもはない最高の役職だ。この際、地球環境問題に真剣に取り組み、温暖化問題に精通した政治家になってほしい。そして、原発問題や環境破壊といった課題に真正面から対応してほしい。

 政党や国の指導者になる人には、

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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