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9月3日(火) 午前、「報道特集」の定例会議。テレビの嫌韓報道止まず。法務大臣候補のチョ・グク氏をめぐって。イケメンでテレビ映えがするとか。文在寅大統領の最側近と盛んに報じられている。娘の不正入学などのスキャンダルなどをめぐって、これでもかとばかり日本のテレビが、特にワイドショーが詳報している。今日の午前2時まで10時間以上の疑惑打ち消し記者会見を行ったらしい。日本のワイドショーのノリは韓流ドラマをみているような感じ。きのう発売の「週刊ポスト」の嫌韓特集が度を超えているとの批判を受けて発売当日に(つまり昨日)おわびしたらしい。「韓国人という病理」はアウトだろう。

 13時、T。その後、宮内鎭雄さんから薦められていた草間彌生を描いたドキュメンタリー映画『草間彌生∞INFINITY』(アメリカ映画。ヘザー・レンズ監督)をみる。なかなか素敵な作品だった。特にアメリカ時代の草間さんの苦闘をここまで赤裸々に描いた作品はないのではないか。草間さんを一方的に持ち上げる作品ではない。個人的には、フジテレビギャラリーで彼女の作品を展示した日本人キュレーターの慧眼に敬意を表したいと思った。20年以上前に草間さんを取材して当時の『筑紫哲也NEWS23』の特集で放送したことがある。その時の記憶がよみがえってきた。自室をお訪ねしたら、とても沈んでいらした。そのことを強烈に覚えている。たしか「幸福論」という連作のなかの一つだったな。

草間彌生さん拡大草間彌生さん

 そのまま映画をハシゴする。イランの少女更生施設に収容されている少女たちを描いたドキュメンタリー映画『少女は夜明けに夢をみる』(メヘルダード・オスコウイ監督)。このような映画の撮影対象は、国家(=イラン)がすすんでは見せたくないのではないか。ところがオスコウイ監督は深く彼女らに入り込んで、少なくともカメラの前で自在に語らせていた。撮影許可が下りるまで7年かかったという。施設内の少女たちはどこかカメラを意識して「演じている」ようにみえる箇所もあったが、それにもかかわらず、彼女らが深い悲しみを抱えていることが伝わってくるのだ。

 「ゴゴスマ」というワイドショーで日韓対立に関して度を超えた発言があったらしい。武田某という大学教授のコメンテーターらしいが、その後も同番組で、東国原英夫氏がスタジオ内の金慶珠・東海大学教授に対しこんなふうに発言した。「黙ってろ、お前は。黙っとけ。この野郎、喋り過ぎなんだよ、お前。僕ね、あの人が来たらね、欠席しようと……事前に言ってよ。今度ね」。

「ゴゴスマ」(TBS系)で謝罪した東国原英夫氏=同番組から拡大金慶珠・東海大学教授に暴言を吐き、その後「謝罪」した東国原英夫氏=「ゴゴスマ」(TBS系)から

9月4日(水) 朝、早起きしてプールへ。いつもの半分くらい泳ぐ。局で某プロジェクト打ち合わせ。今週の特集が両親による幼児虐待をやることになって、急遽あした鹿児島に行くことになった。

 毎日新聞のコラム原稿。日韓の対立を煽って数字を上げようというメディアのさもしさについて書く。「クレスコ」の原稿。香港の若い世代の「蜂起」をめぐって。

 夕方のニュースをみていたら、ジャニー喜多川氏を偲ぶ会と、韓国の「玉ねぎ男」ネタを延々と放送していた。夜の10時から、ESPAでKさん。

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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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