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バルカン同盟の歴史から日韓関係を考える

柴田哲雄 愛知学院大学准教授

国家の命運の鍵のありかを自覚する

 さて、私たちはバルカン同盟の教訓から何を引き出すべきでしょうか。大きく二つ挙げることができます。第一に、国家の命運の鍵が大国に握られていることを自覚することです。第二に、韓国の「ブルガリア化」と「セルビア化」を防ぐことです。

 第一についてですが、セルビアの命運の鍵を握っているのが、ブルガリアなどではないのと同様に、ブルガリアの命運の鍵を握っているのも、セルビアではありません。その後の歴史の展開を見れば明らかなように、バルカン諸国の命運は、協商国と同盟国(第二次世界大戦に際しては、英米ソの連合国と独伊の同盟国)という大国間の戦争の結果にかかっていたのです。それにもかかわらず、当時のバルカン諸国の指導者は、近視眼的になって、隣国を叩きのめせば、国家の隆盛の道を切り拓くことができると思い込み、互いにナショナリズムを煽って、戦争を始めるという有り様でした。

 一方、日本の命運の鍵を握っているのが、韓国でないのと同様に、韓国の命運の鍵を握っているのも、日本ではありません。日韓両国の命運の鍵を握っているのは、

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筆者

柴田哲雄

柴田哲雄(しばた・てつお) 愛知学院大学准教授

1969年、名古屋市生まれ。中国留学を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。2002年以来、愛知学院大学教養部に奉職。博士(人間・環境学)を取得し、コロンビア大学東アジア研究所客員研究員を務める。主著に、汪兆銘政権とヴィシー政府を比較研究した『協力・抵抗・沈黙』(成文堂)。中国の亡命団体に関して初めて本格的に論じた『中国民主化・民族運動の現在』(集広舎)。習仲勲・習近平父子の生い立ちから現在に至るまでの思想形成を追究した『習近平の政治思想形成』(彩流社)。原発事故の被災地にゆかりのある「抵抗者」を発掘した『フクシマ・抵抗者たちの近現代史』(彩流社)。汪兆銘と胡耀邦の伝記を通して、中国の上からの民主化の試みと挫折について論じた『汪兆銘と胡耀邦』(彩流社)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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