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「ポスト安倍」へ始動 菅氏vs岸田氏の対立軸は

永田町政治の興亡・令和(1)/鮮明になった「安倍・岸田」対「二階・菅」の構図

星浩 政治ジャーナリスト

大きな決断を迫られる安倍首相

 二階幹事長、岸田政調会長、麻生太郎副総理・財務相、菅官房長官など政権の骨格は変わらず、茂木敏充外相、加藤勝信厚労相などポスト安倍をうかがう実力者も要所に廃して改造内閣はスタートした。「二階・菅」対「安倍・岸田」の構図は今後、どうなっていくのか。

 まず、10月4日に臨時国会が召集され、12月上旬まで野党側は安倍政権の外交や社会保障などを追及する。10月22日には新天皇即位の儀式がある。12月中・下旬には来年度予算案編成。年が明けて1月からは通常国会が始まる。夏には東京五輪・パラリンピックである。

 一方、安倍首相の自民党総裁任期は2021年9月。現在の衆院議員の任期(4年)は同10月までである。この間に安倍首相は大きな決断を迫られる。

 それは、衆院の解散・総選挙にいつ踏み切るのか、それとも解散しないまま退陣して、解散は後継総裁・首相の手に委ねるか、である。

「石破総裁阻止」を考えると……

 当面、解散の時期として考えられるのは①今秋の臨時国会終盤の11月下旬か12月上旬②来年(2020年)通常国会冒頭の1月③通常国会終盤の6月――などだ。①と②の解散・総選挙だと、20年度予算の成立は大幅に遅れる。消費増税で景気が落ち込みそうな情勢で、予算成立の遅れは避けたいのが安倍首相の本音だろう。③は五輪直前となり、日程上は困難視されている。結局、衆院の解散は五輪後の来年夏以降という見方に落ち着く。

 その時点で、安倍首相はさらに政権を継続するのか、総裁任期を1年残して退陣し、後継者に政権を委ねるのか。まさに安倍首相の腹一つである。

 自民党の総裁選は任期満了の場合、地方党員と衆参の国会議員の投票によって行われる。安倍首相は2012年と18年の総裁選で勝利しているが、いずれも対立候補の石破茂氏が地方党員票で健闘。安倍氏を脅かした。21年も任期満了の総裁選になれば、石破氏が立候補し、多くの党員票を集めるのは確実だ。逆に任期途中で首相退陣―総裁選となれば、国会議員中心の投票となり、弱小派閥の石破氏は苦しい。

 安倍首相だけでなく、菅、岸田両氏らの共通認識は「石破総裁だけは阻止したい」だろう。であれば、任期途中の首相退陣と国会議員による総裁選で石破氏を封じようという動きが出てきても不思議ではない。

拡大自民党総裁選でを終え、手をつなぐ3選の安倍晋三首相(右)と敗れた石破茂・元幹事長=2018年9月20日、東京・永田町の党本部

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筆者

星浩

星浩(ほし・ひろし) 政治ジャーナリスト

1955年福島県生まれ。79年、東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、外務省、自民党などを担当。ワシントン特派員、政治部デスク、オピニオン編集長などを経て特別編集委員。 2004-06年、東京大学大学院特任教授。16年に朝日新聞を退社、TBS系「NEWS23」キャスターを務める。主な著書に『自民党と戦後』『テレビ政治』『官房長官 側近の政治学』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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